迫真 民泊解禁前夜(2)消えないヤミ物件 2018/3/14 本 日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の総合面にある「迫真 民泊解禁前夜(2)消えないヤミ物件」です。





 凍えるような寒さに東京が見舞われた2017年12月26日、民泊の仲介事業者の肝を冷やすような通知が政府から届いた。出し手は観光庁次長の水嶋智(54)と厚生労働省生活衛生・食品安全審議官の宇都宮啓(57)。「違法物件の仲介防止に向けた措置について」と題した紙には、「通知に従い適切な措置を講じられたい」とあった。

政府は民泊の仲介事業者に対してヤミ物件の排除を求めた

 ポイントは2つ。まず各社の仲介サイトに掲載している民泊物件について、旅館業の許可番号を調べて適法かどうかを確認すること。認可を得ていないヤミ民泊の物件ならば、6月15日の法施行日前にサイトから削除するよう求めた。

 そして法令順守に必要な体制の整備だ。送り先は世界最大手の米エアビーアンドビーをはじめ、中国の途家、自在客、住百家、国内の百戦錬磨といった26事業者。事業者側は観光庁で民泊政策を担当する観光産業課長の鈴木貴典(46)に違法物件がないことを報告しないと、6月から正式な営業ができない。

 「国内の物件をエアビーのプラットフォームに掲載し続けるには届出番号などの記入が必須です」。1月24日、エアビーの仲介サイトを使う民泊オーナーのもとにメールが届いた。「いよいよ違法物件の削除か」。対応を注視するオーナーたちから驚きの声が漏れた。

 エアビーの6万件超の物件にはヤミ民泊も多いが、批判をいとわず掲載してきた。「旅館業法はインターネットや個人ビジネスを想定していなかった。法律でも業容がクリアになっていない」。エアビー日本法人代表の田辺泰之(46)がこう主張していたからだ。ただ最大手が法施行後もヤミ民泊を続ければ、健全な市場も期待薄だ。観光庁幹部は昨年から水面下で対話を重ね、エアビーが譲歩した。

 もっとも無登録でヤミ民泊を掲載し続けても海外事業者は取り締まりにくく、当局の目が届かないサイトもすでにある。

 「昭和ロマンにあふれた木造の古民家です」。観光庁の通知先から漏れた中国の仲介サイト「一家民宿」をみると、多くの物件が京都、大阪、東京などに散らばる。物件を見るには電話番号の入力や無料対話アプリの微信(ウィーチャット)のQRコードの読み取りが中国語で必要。ネット上の物件を一掃するのは無理だ。観光庁幹部は「ネットだけでなく、個人利用のSNS(交流サイト)で営業されると監視不能だ」という。ヤミと公認が混在する危なっかしさを簡単には拭えない。

(敬称略)



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