迫真 爆買い、ネット時代(4) 中国企業も得意先に 2016/10/01 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の総合1面にある「迫真 爆買い、ネット時代(4) 中国企業も得意先に」です。





 中国人がインターネット通販で海外品を輸入する越境EC(電子商取引)は企業間取引(BtoB)にも広がりつつある。

ECサイト運営のラクーンが開いた中国語ページ(東京都中央区)

 「中国市場は無視できない。対応を急げ」。メーカーと小売店をつなぐBtoBサイトを運営するラクーン取締役、阿部智樹(36)は社員にハッパをかける。海外企業向けに英語で取引できるサイト「SDエクスポート」で今夏、中国語対応に乗り出した。今は会社案内などにとどまるが、今後、商品情報や取引のページにも広げる考えだ。

 中国語対応を急ぐのには理由がある。サイトに出店する企業に中国企業からの注文が相次いでいるからだ。出店企業で和雑貨メーカーのリュウコドウ(京都市)では既に海外向け販売の3割が中国だ。「山東省聊城市ってどこ?」。営業課長の大塚聡一(48)は中国の聞いたこともない街の小売店から初めて注文が届いたときには首をかしげた。だが今では1~2カ月に1度、招き猫など10万円単位の注文が入る「得意先」の一つだ。

 越境ECを使えば代金回収や発送業務を全てサイト運営会社に任せられる。社員約90人のリュウコドウのような中小企業にとって「国内取引と同じ感覚で輸出できる」のはチャンスだ。

 「展示会からECに比重を移そう」。樹脂製の印材やペン先を扱う素材メーカー、ヤマハチケミカル(愛知県蒲郡市)社長の遠山泰広(48)は9月、出展した上海でのオフィス用品展示会を眺めてつぶやいた。10年前と比べ来場するバイヤーの数は半減。渡航費などを含め1回100万円以上かかる出展負担が重くなってきた。

 一方、2年前に出店したアリババ集団(浙江省)のBtoBサイト「アリババ・ドット・コム」での取引は徐々に増えている。出店費用は月23万円だが週5件ほど問い合わせが来る。

 魅力的に映る越境ECだが「成功するのは難しい」。3年前から越境ECを手掛けるドラッグストア大手、キリン堂ホールディングスの中国法人総経理、平野政広(51)は警鐘を鳴らす。売れ筋商品の大量販売で短期的利益を追う中国の業者の思惑に乗って増産したが、需要のピークを逃して在庫を二束三文で売らざるを得なくなる日本企業は少なくないという。

 両国の企業の思惑が絡みつつ、ネット通販上での中国人の爆買いは続く。

(敬称略)

 原島大介、堤正治、村松洋兵、花井悠希、木寺もも子、柴田奈々が担当しました。



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