迫真 自民憲法族「改正には妥協が必要」 与野党協調に岐 路 急展開の改憲論議 2017/6/14 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の総合面にある「迫真 自民憲法族「改正には妥協が必要」 与野党協調に岐路 急展開の改憲論議」です。





 5月12日、自民党憲法改正推進本部のインナー会合。首相補佐官の柴山昌彦(51)の発言に室内は静まり返った。「憲法改正論議は高村さんと北側さんのパイプを生かすべきだ。これは首相官邸の意向です」。視線の先には、これまで党内の改憲論議を主導してきた本部長の保岡興治(78)、本部長代行の船田元(63)らの姿があった。

自民党憲法改正推進本部の幹部会合であいさつする保岡本部長(中央、6日午前、東京・永田町の党本部)=共同

 柴山が名前を挙げたのは党副総裁の高村正彦(75)、公明党副代表の北側一雄(64)。安全保障関連法の与党内のとりまとめを担い、調整力には定評がある。一方、長年憲法問題に携わり与野党協調路線に重きを置く「憲法族」と呼ばれる保岡や船田にとっては、戦力外通告を受けたに等しい発言だった。

 6月6日、党本部5階。推進本部の幹部会合は態勢を強化して再スタートを切った。メンバーには幹事長代行の下村博文(63)ら首相の安倍晋三(62)に近い議員も数多く名を連ねる。保岡は安倍から「今後も推進本部の指揮を執ってほしい」と言われたと周囲に漏らす。だが、早期改憲派が主導権を奪おうとしているのは明らかだ。

 この会合で、憲法9条に自衛隊を位置づけるとする安倍の提案にかみついたのは前地方創生相、石破茂(60)。自民党が野党時代の2012年にまとめた改憲草案の存在を挙げ「草案の扱いをどうするか、まず議論しなければならない」と訴えた。石破の隣に座っていた高村は目も合わせず「その件はいずれ考えればよい」と一蹴した。

 ただ改憲の実現には石破ら反主流派の取り込み策も欠かせない。「石破対策」の一つは党が打ち出した改憲4項目に入れた、参院の「合区」解消だ。石破は合区が実施されている鳥取県の選出で、合区に反対する。

 5月31日、高村は保岡と今後の進め方を巡って話し合った。高村は「合区解消が実現するかどうかは参院の努力次第だ」と語ったうえで「改憲論議では彼らに配慮する必要がある。合区を議論しないと党内はまとまらない」と強調した。

 保岡は最近、周囲に「憲法改正には大いなる妥協が必要だ」とたびたび説いてみせるようになった。安倍の固い決意を受け入れ、できるだけ早く着地点を探らなければならない。自民党内の早期改憲派に配慮すれば、野党との擦り合わせは難しい作業になる。

 たそがれの憲法族。これまで築き上げた協調路線は岐路に立っている。(敬称略)



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