部下を動かす対話術、3社長の実践 2015/06/02 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のキャリアアップ面にある「部下を動かす対話術、3社長の実践」です。

有名経営者が赤裸々につづる部下との対話、非常に注目できる内容でした。特に「飛耳長目」、トップたる方は従業員からすると雲の上の人、その方に飛耳長目なる精神が備われば、きっと、遠くからでも地上でどのようなことが行われているか、きちんと把握できることでしょう。





部下に的確に指示し、動かすことはビジネスに重要な要素だ。ただ、思うように意図が伝わらず、戸惑うことも少なくない。どうすれば自分の考えを理解してもらい、目指すべき道に向かわせることができるのか。3社のトップの実践法から探ってみた。

弱い自分もぶつける ロイヤルホスト 矢崎精二氏

 ロイヤルホストの矢崎精二社長は社員に接する際、大切にしていることがある。「ありのままの自分を出す」ことだ。弱みや苦手なところ、悪いところ、強みもいいところも、すべて出す。「フェース・トゥ・フェースで“素の自分”を相手にぶつけないと、思いや伝えたいことは絶対に伝わりません」と強調する。

 26歳、若くして店長に抜てきされた時の苦い経験がこう思うきっかけになった。就任後1週間で「あなたにはついていけない。辞めさせていただきます」と、店舗リーダーの女性3人から辞表を突きつけられたのだ。

 原因は自分にあったと反省する。「従業員に挨拶しなかったり、1~2時間遅刻して、コーヒーを従業員に頼んだりしていた。従業員になめられてはいかんと、横柄な態度を取っていました

 このままでは翌日から店を開けられない。自分が悪いから逃げることもできない。その夜、女子寮に一升瓶を2本持って謝罪に行った。勘違いして勝手なことばかりして申し訳なかったと、ひたすら謝ったという。「朝まで謝り続けたら、根負けして許してくれました。この騒ぎがきっかけで、自分の弱さをありのままに出すようになったのです」と打ち明ける。

 自分の弱さを出すということは恥ずかしいことでも怖いことでもない、と矢崎さんは話す。「むしろ出すことで相手の信頼を得られる。実は強さにつながるんです」。素で接し続けることこそ、大事なコミュニケーション術だ。

納得される伝え方、工夫 オイシックス 高島宏平氏

 「どう伝えれば、相手が動きたくなるか」を常に意識するようにしているのが、野菜のネット通販を手掛けるオイシックスの高島宏平社長だ。社員にも「自分たちが売りたい気持ちを、お客様が買いたい気持ちに翻訳しないと、相手には伝わらない」とも話している。

 相手に何かを伝える時、重要なのはこちらが言いたいことを言うことではない。仕事におけるコミュニケーションの最終目的は、相手を動かすことだ。「どう伝えれば、人は自分から動きたくなるのかを考え、相手が納得して、即行動に移せるような言い方・伝え方を工夫することが大切です」と強調する。

 例えば、精いっぱい努力したのに失敗し、疲れ果てている人に「努力が足りない。もっと努力してほしい」と言っても、相手は「確かにそうだ。もっと努力しなければ!」とは思わない。

 そんな時は「これまでに成し遂げられたこと、成し遂げられなかったことを、振り返ってみよう。努力の方向性が違っていたのでは」と伝えるという。

 大きな成果を出して自信にあふれている人には「あなたの限界はこんなものじゃない。さらに努力してほしい」と言って奮起させることもある。「同じことを伝える場合でも、相手の状態に応じて、伝え方を『翻訳』するように心がけると、相手を納得させることができ、動いてもらいやすくなります」

 社員との面談では、やり取りを丁寧に記録する。「自分の発言」も細かくメモするという。

 「相手は面談のたびに違うことを言われると『何だ、思いつきで発言しているな』と受け取る。こちらがどれだけ真剣に話しても、聞く耳を持たなくなってしまいます」。そこで「自分が発言したこと」を逐一記録するようにしている。

何より話を聞く セブン―イレブン・ジャパン 井阪隆一氏

 セブン―イレブン・ジャパンの井阪隆一社長が日々心がけているのは、話を聞くことだ。「話すことよりエネルギーがいりますが、根気よく話を聞くことが何よりも大事です」と力をこめる。

 部下からの話を聞かずにこちらが一方的に話していたら、誰も情報を伝えてくれなくなる。情報が入ってこなくなったら「裸の王様」になってしまう。だから、社長室のドアを常に開けている。

 「誰でも、いつでも、話をしやすいようにしていないといけません。それが私の一番の仕事といっても過言ではない」。ノックされたら、部屋に招き入れ、話を聞く。いつも外出ばかりでオフィスにいない人と、いつ行っても話を聞いてくれる人。「どっちがいいといったら、後者ですよね」とほほ笑む。

 井阪社長の座右の銘は「飛耳長目(ひじちょうもく)」という中国の古い言葉だ。遠くのことを聞くことができる耳と、遠くまでよく見える目を持っている、つまり、物事の変化に鋭敏で、情報の収集力にたけていることを指す。これがとても大事なのだという。

 コンビニエンスストアは変化を見逃さないことが極めて大切になる。いろいろな角度から物を見て変化を見つけたり、常にチャネルを広げていったりする必要がある。

 「正直に言えば、現場にいた時はそこまで意識していませんでした」と打ち明ける。「聞くことを実践するようになったのは役員になってから」だそうだ。

 さらに、コミュニケーションでは直接会って話すことを重視する。電子メールだけでは、2~3割の人にしかこちらの真意が伝わらないという。「直接会って顔を見て話せば、相手の反応が見えます」

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