都内の起業手続き一元化窓口 登記・国税も月内可能に開設2年弱、煩 雑さ解消 2016/12/5 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の法務面にある「都内の起業手続き一元化窓口 登記・国税も月内可能に開設2年弱、煩雑さ解消」です。





 起業に必要な手続きを1カ所でできるようにと昨年4月開設された「東京開業ワンストップセンター」の利用が低迷している。起業につながったのは月数件ほど。ワンストップをうたいながら、法人設立登記と国税の手続きがセンターで完結しない煩雑さが一因だ。ようやく年内には2つの手続きも可能になる見込みで、関係者は利用増に期待している。

東京開業ワンストップセンターは何度でも相談を受け付ける(東京都港区)

 センターは外資系企業やベンチャー企業を呼び込む狙いから国家戦略特区で設置が認められた。国と東京都が共同で運営。東京・赤坂の日本貿易振興機構(ジェトロ)本部の一角に設けられたオフィスには、法人の定款認証をはじめ、登記、税務(国税・都税)、年金・社会保険、入国管理の8つのブースが並ぶ。

 公証人や司法書士、税理士、社会保険労務士といった専門家が常駐。相談に応じるだけでなく、書類も受け付ける。申請・届け出手数料以外は無料で、相談は何度でも可能。外国人は通訳や翻訳サービスも受けられる。

 起業を果たした人からは好評だ。「必要な手続きが手にとるように分かり、スムーズだった」。今年8月に営業コンサルティング、シェルパワークス(東京・千代田)を興した米倉達哉社長(46)は話す。3回訪問し、役員状況や株主構成などの定款への記載の仕方などを公証人に細かく説明してもらったという。

 訪日中国人向けビジネスを手掛けるアクロスジャパン(同・港)の孫涛社長(47)は「自分で調べる手間を省け、約1週間で手続きできた。創業後の支援も充実してもらえるとうれしい」。

 ただ11月までの利用は延べ1688人に上る一方、申請・届け出は106件。1社で複数の手続きをすることが多く、会社設立数はより少ない。

 実は手続きは完全に一元化されてはいない。昨年10月には国家戦略特区法改正で公証人が公証役場以外で業務する特例が認められ、定款認証もできるようになったが、登記と、青色申告の申請など国税関連の手続きは依然として法務局と税務署に出向く必要がある。

 政府は今年6月の「日本再興戦略」で、センターについて「すべての事務に範囲を拡大し、利便性の抜本的な向上を図る」と表明。内閣府は年内をめどに登記と国税手続きもできるように、所管する法務省、国税庁と運用を調整中だ。

 内閣府は利便性向上をきっかけに、起業を増やしたいと意気込む。都も「知名度の低さもネックになっており、PRに力を入れたい」(政策企画局)と期待を寄せる。

 ジェトロが昨年、外資系企業を対象に実施した調査によると、日本でビジネスを行う阻害要因として「行政手続き・許認可の複雑さ」との回答が最も多かった。内閣府は「今後はすべての手続きを電子申請できるようにもしたい」(地方創生推進室)とする。起業を増やして経済成長の底上げにつなげるには、手間やコストの削減に向けたさらなる工夫が求められる。

(青木茂晴)



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