金融取材メモ ヤマト値上げ羨むメガ銀手数料上げへ問われる「汗 のかき方」 2018/1/10 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の金融面にある「金融取材メモ ヤマト値上げ羨むメガ銀手数料上げへ問われる「汗のかき方」」です。





 「値上げしてもさほど批判されない企業もある。銀行はどうかと自問している」。メガバンク首脳の念頭にあるのはヤマト運輸が宅配便の料金を27年ぶりに引き上げたことへの反応。メガ銀も両替を手始めに手数料上げを模索するが批判はくすぶる。ともに社会インフラを担う両者の違いは何か。

全銀協の平野会長は「コストに見合う手数料をもらうのが基本」と話す

 「やっぱり往復2000円台から3000円台に上がると一瞬ためらう」。東京都の30代会社員はゴルフバッグを宅配便で送るたびに値上げを実感している。値上げはないに越したことはないが企業がサービスを維持するには「適正な対価」が必要。値上げ前からヤマトが運転手不足とネット通販の急拡大でパンク寸前だったのは知れわたっていた。大手行幹部は「要は値上げしてもどれだけ『仕方ないな』と思ってもらえるか」とみる。

 突き詰めると利用者が値上げを受け入れるかどうかは、企業側の努力の見え方と代わりが利くかにかかっている。ヤマトの場合は「何度も再配達してもらって無料というのは申し訳ない」という感情とパンクされたら困るサービスという“条件”を満たしたことが非難の嵐にならない理由のようだ。

 もっとも、現場の「汗」が見えやすい宅配便と銀行では事情が異なる。たとえば、メガバンクが一斉に手数料上げに動いている両替。窓口はわかるが、両替機での手数料まで上げることに批判もある。ただ両替機に頻繁に新札を補充するには人手が必要で、その新札を日銀に取りにいくのにもコストがかかる。

 銀行はATMや振込手数料の引き上げ、口座維持手数料の徴収なども視野に入れる。ただマイナス金利政策による苦境を訴えても、3メガ銀そろって純利益上位10社に入っていると「国内の実態がどうであれ、切迫感は伝わりにくい」(メガバンク幹部)。

 全国銀行協会の平野信行会長(三菱UFJフィナンシャル・グループ社長)は昨年12月の記者会見で「顧客に納得してもらえるような努力をして理解してもらったうえで適正な手数料をいただく」と正攻法の重要性を説いた。供給側が適正な対価といっても顧客が離れたら元も子もない。銀行界の汗のかき方が問われる。(亀井勝司)



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