電機転生(下) 「シェア首位」が最善か 京セラ、下位でも個性磨く 2013/11/30 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の企業1面にある「電機転生(下) 「シェア首位」が最善か 京セラ、下位でも個性磨く」です。





世界大手が赤字に陥る中、黒字を続ける京セラの太陽電池(京都市の大規模太陽光発電所)

 京セラの携帯電話の年間販売台数は2012年度に約1100万台。アップルやサムスンが1カ月で売る台数と変わらない。「真っ向勝負で勝てるわけがない」(山本康行専務)。しかし事業撤退は頭の中にはない。

54年間赤字なし

 米国で昨年発売し、1年間で200万台を売ったスマートフォン(スマホ)「ハイドロ」。防水性能に優れ、騒音の中でも相手の声を聞き取りやすい製品で、アウトドア愛好家や耳が聞こえにくい高齢者などから高い支持を得ている。米携帯3位のスプリント・ネクステルに続き、米最大手のベライゾン・ワイヤレスも取り扱いを始めた。

 「何が本業なのか分からない会社」。株式市場は京セラをそう評する。スマホ、太陽電池、電子部品、セラミックを活用した家庭用品……。起業してまもなく資金繰りに苦労した創業者の稲盛和夫氏が「事業の一本足打法はリスクが大きい。何本もの足で経営を安定させる」として、主力と呼ぶ事業をあえてつくらないようにした結果だ。

 手掛ける事業は世界シェア10位前後。しかし事業部ごとに採算を管理する「アメーバ経営」の徹底で「創業54年間で一度も赤字になったことはない」(稲盛氏)。

 グローバル競争で勝ち抜く手段はシェアを高めて市場の支配力を握ること。そう信じてパナソニックやシャープはプラズマや液晶といった薄型パネルの量産に巨額資金を投じ、韓国や台湾勢に敗れた。しかも経営資源の多くをこの分野に割いたことで、その後の再建が思うように進まない。1等賞になることだけが最善の経営判断とはいえなくなってきた。

 東芝は9月、裸眼でも画像が立体的に見えるコンピューター断層撮影装置(CT)を発売した。3年前に同社が発売したものの普及せず、製造を中止した3次元(3D)テレビで培った技術を応用した製品だ。

選択・集中見直す

 「シェア上位ではない分野で画期的な製品を生み出す」。6月に就任した田中久雄社長はそう語る。半導体と原子力発電の両分野を中心に世界首位か2位を目指すとしてきたのが従来の戦略。田中社長は社内に蓄積する技術を活用した特異な新製品や新規事業の立ち上げに重点を置く。研究開発畑の技術者を社長秘書に登用した東芝でも異例の試みはその布石だ。

 「家電製品のコマーシャルを増やしたらどうか」。三菱電機の山西健一郎社長は最近こう言う。発電設備や産業機器など重電分野に経営資源を集中してきた同社。しかしニーズが刻々と変わる家電事業を縮小すると、的確なマーケティングや短期間に商品をつくる力が失われるとの危機感があるためだ。「選択と集中」にとどまらず、新たな事業の芽を育てる動きが広がってきた。

 尾島島雄、堀江耕平、多部田俊輔、平沢光彰、山田健一が担当しました。



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