領土問題進展へ攻めの訪ロ 首相、経済協力で糸口探る 2016/05/07 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の政治面にある「領土問題進展へ攻めの訪ロ 首相、経済協力で糸口探る」です。





 【ソチ=山口啓一】安倍晋三首相は6日、ロシアのソチを訪れ、プーチン大統領と会談した。異例の連続訪問には、北方領土問題を前進させる糸口を探るとともに、両国の隣国・中国をけん制する狙いがある。経済低迷にあえぐロシアも日本の協力に期待しており、接近への思惑は一致する。ただロシアにとって北方領土の戦略的重要性は高まっており、領土問題の打開は容易でない。

プーチン大統領(左)の出迎えを受ける安倍首相(6日、ソチ)=代表撮影・共同

 首脳会談は直前のプーチン氏とカタール外相の会談が延び、約1時間遅れで始まった。首相はその間、宿泊先ホテルで待たされたが、プーチン氏の出迎えには笑顔で応じた。1時間50分に及んだ会談を終え、その後の夕食会を含め3時間話し込んだ。

 2国間の首脳会談は、国際会議の場を除けばそれぞれの国を交互に訪ねるのが通例だ。しかし最近は首相が2013年4月にモスクワを、14年2月に南部ソチを続けて訪れていた。両首脳は14年と15年のプーチン氏の来日で合意したが、ウクライナ問題を巡る日本の対ロ制裁などを受けていずれも実現しなかった。

 首相の訪ロには米国も慎重だった。それでも首相が訪ロした背景には「日ロは戦後70年以上経た今も平和条約が締結されていない異常な状態」だからだ。首相は条約締結の前提となる領土問題解決に意欲を示す。プーチン氏が望む経済協力をちらつかせ、ロシアを対話に引っ張り出したい。

 今回の訪ロでも、首相がプーチン氏にエネルギー開発やインフラ整備など8項目で協力する計画を提示したもようだ。

 政府関係者は「5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)議長として米欧と対ロ制裁の歩調を乱すわけにいかない。制裁破りでないギリギリの範囲で協力する」と話す。

 ロシアをアジアの主要プレーヤーに引き込み、中国に対処する――。対ロ関係には安倍首相の対中戦略も透ける。政府高官は「日ロで首脳対話を継続すれば、中国をけん制できる」と語る。

 とはいえ、米ロ関係が冷え込む中で「ロシアにとって太平洋への出口となる千島列島(北方領土含む)の戦略的価値は増している」(日ロ外交筋)。領土問題の進展は簡単ではない。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です