首相、北方領土交渉へ解決案準備 経済協力と並行で 「新アプローチ」詳細明かさず 2016/05/08 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の総合・政治面にある「首相、北方領土交渉へ解決案準備 経済協力と並行で 「新アプローチ」詳細明かさず」です。





 安倍晋三首相はロシアのプーチン大統領との6日の会談で、北方領土問題の解決に向け「新たな発想に基づくアプローチ」が必要だとの認識で一致した。新アプローチの詳細を明かさないが、3時間超の会談で「停滞を打破する手応えを得た」という。今後は返還実現に向け解決案の準備も念頭に置き、領土交渉に臨む構え。経済協力は交渉と並行して進める考えだが、成否は見通せない。

ロシアのプーチン大統領(右)との会談に臨む安倍首相(6日、ソチ)=共同

 「私の意見に大筋で賛同してもらえるなら、ぜひ2人で話をしたい」。会談開始から約1時間半後、首相はプーチン氏に呼びかけた。通訳を介した2人だけの会談は35分間。大人数の会談に戻ったプーチン氏は「良い話し合いができた」。両首脳は領土問題で「双方が受け入れ可能な解決策」づくりへ交渉を進めることで一致した。

 首相が8項目の対ロ経済協力を切り出したのはその直後だ。政府高官は7日、「8項目を今後どう具体化するかは、領土問題でのロシアの出方次第だ」と指摘した。経済協力だけが進む事態を避け、領土交渉と並行させることで交渉進展に確実につなげたいという。

 旧ソ連時代から両国の領土交渉は「政経分離」と「政経一体」を繰り返してきた。首相が二の舞いを演じないようにするための仕組みが「新たなアプローチ」とみられる。

 日ロ関係筋は、首相には新たな領土の返還方法の腹案があるのでは、と期待する。同行筋は新アプローチに基づく交渉でも「北方四島の帰属確定を求める日本の立場は変わらない」と語る。

 1998年に橋本龍太郎首相(当時)がエリツィン大統領(同)に示した「川奈提案」。北方四島の北側で国境線を画定し、施政権は当面ロシアに残して協議を続ける案だったが、結果にはつながらなかった。過去の日本側の様々な提案も実効支配するロシアの主導権を崩せずにきた。

 日本にとってロシア側が今後歩み寄ってきたタイミングを逃さず、妥当な解決案を示せるかが肝要だ。首相側はそのチャンスが年内の実現を目指すプーチン氏の来日時とみて準備を進める。

 一方、外務省幹部は新アプローチが「領土交渉の加速に向けた環境整備」の考え方だと話す。経済協力と領土交渉が同時に進むような取り組みや対話を探る手法が想定される。

 ロシア側では、日本が「平和条約締結は領土問題の解決が前提」とするのを改め、まず条約を締結して領土交渉の弾みにする方針転換への期待が出ているという。

 首相はロシアが国際社会で孤立し、国内経済も不調が続く機会を計って攻勢に出た。ロシア側の対応は不透明だ。26~27日の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)を前に日本を懐柔し、主要7カ国(G7)の分断を図る思惑もちらつく。



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