首相、南シナ海連携に腐心 比へ1兆円支援表明 2017/1/13 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の総合面にある「首相、南シナ海連携に腐心 比へ1兆円支援表明」です。





 【マニラ=上林由宇太、遠藤淳】安倍晋三首相は12日、フィリピンのドゥテルテ大統領との会談で、中国が南シナ海で軍事拠点化を進める問題に関し、法の支配と平和的解決の重要性を改めて確認した。ドゥテルテ氏が経済的実利を優先し中国との融和姿勢をちらつかせていることを踏まえ、大規模な経済支援も打ち出した。南シナ海での中国の一方的な行動を抑制するため連携を強める狙いだが、温度差もある。

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共同記者発表後、フィリピンのドゥテルテ大統領(右)と握手を交わす安倍首相(12日、マニラ)=共同

 「マニラへようこそ。首相の訪問はフィリピンへの外国首脳の訪問として最初だ」。会談の冒頭、ドゥテルテ氏はこう歓迎した。昨年6月の大統領就任後、外国の首脳で初めて安倍首相を招いた。日本政府関係者によると、ドゥテルテ氏は歓迎の意を込めてマラカニアン宮殿(大統領府)のクリスマスの飾り付けを首相が来るまで残していたという。

 首相も「今年の外遊で初の訪問が貴国となった。日本にとって貴国との関係を一番重視していることの表れだ」と応じた。だが、両首脳の思惑は微妙にずれる。

 首相が今年最初の海外訪問先としてフィリピン、インドネシア、ベトナムの東南アジア3カ国とオーストラリアを選んだのは、オバマ米大統領が続けてきたアジア・太平洋地域への関与政策が、トランプ次期米大統領の誕生で不透明感が出ているためだ。中国がこの隙に南シナ海での軍事拠点化を進めないよう連携を確認し、沖縄県・尖閣諸島のある東シナ海への波及を防ぐ狙いがある。

 首相は会談で、中国の主権主張を否定した昨年7月の仲裁裁判所の判決を踏まえ「今年の東南アジア諸国連合(ASEAN)関連会合でも法の支配や紛争の平和的解決の重要性を改めて主張したい」と訴えた。

 一方、日本関係者によると、ドゥテルテ氏は首相の発言を受け「あらゆる分野で日本を支持する」と答えたというが、南シナ海への直接の言及はなかった。

 ドゥテルテ氏は会談後の共同記者発表で「フィリピンと日本は海洋国家として、いかなる脅威からも領海の安全保障を確保する共有の関心事を抱えている」と強調。「この地域の安全を確保するため、法の支配を進める努力を継続する」とも語った。海洋安全保障の重要性を再確認はしたが、首相とは温度差がある。

 インドネシアやベトナムが中国に強硬な姿勢を貫く一方、フィリピンはドゥテルテ氏の大統領就任で方針がぐらついた。南シナ海問題で深入りせず、中国と日本の両方から経済支援を引き出す戦略に転じたためだ。

 首相は今回の会談で、今後5年間で1兆円規模という大規模な経済支援を表明。ドゥテルテ氏が力を入れるミンダナオ島の振興や麻薬撲滅への後押し策も発表した。中国の習近平国家主席が昨年10月のドゥテルテ氏との会談で、総額240億ドル(約2兆5000億円)の経済協力を打ち出したことを意識したものとみられる。それでもドゥテルテ氏は共同記者発表で「我々はさらなる経済協力を求めている」と付け加えた。



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