高校生を青田買い 変わる中国地方 in out 移住・定住を増やす(2) 2017/05/31 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の「高校生を青田買い 変わる中国地方 in out 移住・定住を増やす(2)」です。





若者の流出阻止は中国5県の自治体すべてにとって最重要課題だ。といって首都圏や近畿圏での就職を目指す学生を引き留める特効薬などない。各県の施策に踊る「県内定着」「魅力ある地域」といったありきたりな文言をどれだけ生きたものにできるのか、関係者の苦心がにじむ。

3月、山口県は県内の全18大学・3高専と「大学リーグやまぐち」を結成した。若者の県内定着促進のため、学生の啓発活動に一丸となって取り組む。同様の組織は他県にもあるが、県が中心となるのは全国でも初めて。村岡嗣政知事は「大学生なら県内企業、高校生は県内の大学をよく知らない。知ってもらうことから始める」とその目的を解説する。

学生がプレゼン

その目玉が「高校生の青田買い」だ。NPO法人の力を借りて県立高校へボランティアの大学生を派遣し、10人1組相手に手作りの紙芝居風プレゼンを行う。大学や地域の魅力を、手書きのスケッチブックで訴える。「先輩の本気の話で、必ず伝わるものがあるはず」(県学事文書課の小松賢一・大学班長)と効果を期待する。

今年度から6校で実施するため、100人のボランティアを集めた。今年2月には高校生向けに県内の大学、企業が集まって自身の魅力を訴えるフェアを始めた。来年はさらに規模を拡大する。このほかSNSや各種イベントを駆使し、大学では遅いとばかりに高校生から県内大学、県内企業の魅力を訴える戦略だ。「効果があるかどうか、とにかく地道に説明を続けていく」(小松班長)と決めている。

広島県は今年度、県内に通う高校生に県内企業の良さを知ってもらう出前講座を始める。これまで県外に出た大学1~2年生50人に実施していた、夏休みを利用して県内企業を知り、社員の思いを聞く「サマーワークショップ」の拡大版だ。「県内企業への興味や関心を持ってもらい、大学探しにも生かしてもらう」(県の雇用労働政策課)狙いだ。

メルマガを配信

また高校卒業時に「ひろしま就活応援サイト」にメールアドレスを登録してもらい、就活イベントや広島の旬な話題をメルマガで月2~3回配信する囲い込み策も開始した。

岡山県立大学は地域の魅力を教える講座「岡山創生学」を創設した。全学部の生徒が受講でき、座学やボランティアなどを通じて岡山について深く学んでもらう狙いだ。沖陽子副学長は「すぐ地元に就職しなかったとしても、岡山のことを勉強していれば、将来戻る人もある」と長期的な視点を強調する。

中国地方では15~16年のデータで県内大学、短大、高専などからの県内企業就職率は広島県は5割を超えたが、岡山県はちょうど半分、山口県で3割超、鳥取県、島根県は3割にとどまる。これを3年後に1割程度引き上げることが目標だ。

空前の人手不足で地方企業の大半を占める中小の採用は厳しさを増す一方。それでも「きちんと説明すれば、意外と学生は来てくれる」と手応えを感じる経営者も多い。地域のファン作りという名の青田買いが、地元定着のきっかけになるかもしれない。



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