<FT特約>習氏、独裁体制に近づく民主主義を脅かす懸念 2017/10/27 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の国際面にある「<FT特約>習氏、独裁体制に近づく民主主義を脅かす懸念」です。





 西側では多くの人が、国は豊かになるにつれて民主化すると固く信じている。中国は、その紛れもない例外であることを示している。中国共産党が5年に一度の党大会を24日に終えた中国は、この40年間で最も独裁体制に近い姿となった。

 習近平国家主席は、党最高指導部を忠実な盟友と信奉者で固め、党規約に自らの名を盛り込んだ。1949年の革命以降、在任中に自身の名を党規約に記したのは毛沢東以来だ。表向きには、習氏は76年の毛沢東死去後の中国で最強の指導者になったように見える。

 党の権力の正統性を確立し、平和的で秩序ある指導者の交代を制度化しようとする数十年来の多大な努力を、習氏は一撃で打ち壊した。習氏は国家と軍、共産党の3つのトップを兼ねているが、正式な任期制限があるのはそのうちで最も重要性の低い国家主席だけだ。

 東西冷戦の最盛期、中国は武力革命を第三世界全体に輸出したが、毛沢東が大惨事を引き起こした後、歴代指導者は西側資本主義の概念を輸入することに目を向けた。

 それが今、習氏は中国が台頭するなかで西側は衰退し、世界に対する中国の影響力を倍加すべき時だと考えている。習政権は中国の「ソフトパワー」の強化にも力を入れている。力ずくではなしに他国を引き付け、納得させる能力だ。

 その一環として、中国をサッカーとエンターテインメントの超大国にしようとしている。世界中の人々に影響力を及ぼすとともに、都市化する中国の大衆の目を政治参加という悪からそらす狙いだ。西側でおなじみの「パンダ外交」以上に重要なのは、今や世界の大学500校以上で開設されている孔子学院で、この教育機関を通じて中国関連の学術研究も統制しようとしている。

 国家の規模と高位中所得国という地位から、中国が文化として、そして国として国際舞台で影響力を増すのは必然であり、また望ましくもある。しかし、世界は、習氏の下で中国は、西側が第2次世界大戦以前から推進してきた民主主義と相いれない統治モデルを国際的に広めようとしている、ということを忘れてはならない。

(26日付、社説)

=英フィナンシャル・タイムズ特約



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