FRB誕生100年 メルツァー教授に聞く ドルで世界秩序確立、金融危機後の対応に課題 2013/12/24 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の国際面にある「FRB誕生100年 メルツァー教授に聞く ドルで世界秩序確立、金融危機後の対応に課題」です。





 米連邦準備理事会(FRB)の創設を定めた連邦準備法の成立から23日で100年。FRBは超大国となった米国の通貨の番人として内外で影響力を拡大してきた。その歴史上の役割と今後の課題について、FRB研究の第一人者でカーネギーメロン大のアラン・メルツァー教授に聞いた。

 ――米国へのFRBの最大の貢献は何ですか。

 「権限がごく限られた組織として生まれたFRBは世界最強の中銀に進化する過程でドルを基軸通貨に押し上げた。米国が演じた“世界の警察官”の役割はドルの地位と裏表。米国はドル基軸を背景に世界中に米国債を売って資金を集め、国際秩序を担う力を得た」

 ――逆に、どんな不利益を生みましたか。

 「米国は(金・ドル本位制のもと為替相場を安定させる)ブレトンウッズ体制を維持できなかった。世界中にドルがあふれるなか主に1970年代に米国と世界にインフレの種をまいた」

 ――100年間で政策運営が最も成功した時期は。

 「景気の振幅が減り『大いなる安定』と呼ばれたグリーンスパン議長の時代だ。物価や成長率に基づいて政策を決めるルールを重視したことが大きい」

 ――同議長は金融危機の原因をつくったとも批判されています。

 「金融市場に近い人々がデフレの危険をあおった。ウォール街の大銀行はFRBに大きな影響を及ぼしてきた。この時も同じ。住宅市場にお金が流れるのを助けたが、政策は緩みすぎた」

 ――2008年の金融危機後の未曽有の量的緩和は効果を生みましたか。

 「FRBの行動は愚かだ。準備預金を積み上げただけで経済を巡るマネーは増えていない。米国の問題は実体経済。銀行も企業も巨額のお金を抱えるが投資が起きない。理由は増税や規制強化。1930年代後半、増税を加速させたルーズベルト大統領時代と同じだ」

 ――次期議長となるイエレン副議長の課題は。

 「FRBの独立を取り戻すことだ。政府の赤字を埋めている状況は独立とはいえない」

(聞き手は米州総局編集委員 西村博之)

 48年デューク大卒、58年カリフォルニア大学ロサンゼルス校で経済学博士号。金融政策、FRB研究の第一人者。88~89年に米大統領経済諮問委員会(CEA)顧問。日銀金融研究所の顧問も務めた。85歳。



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