FT特約 進むシェア経済企業への税制、見直す時期に 2017/1/5 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のFINANTIAL TIMES面にある「FT特約 進むシェア経済企業への税制、見直す時期に」です。





 競争の激しい同一市場で、似たような資産を使って似たような製品を売る企業を考えてみよう。一社は法人格や全資産を1つの組織が保有する。もう一社は「労働者」が有形資産を保有する。労働者は取引ごとに売上高の大部分を手にし、組織に手数料を払う。

 この2社は異なる税率で課税されるべきか。この問題は民泊仲介の米エアビーアンドビーや配車アプリの米ウーバーテクノロジーズなど、資産をシェア(共有)することで事業展開する企業によって提起された。2社はホテル会社やタクシー会社とよく似ている。しかし、ロンドンのエアビーの事業をフィナンシャル・タイムズ紙が分析すると、税金の扱いが大きく違っていた。

 エアビーが2016年に6億ドル(約708億円)を売り上げたとみられるロンドンでは、ホテルの部屋を予約すると20%の付加価値税(VAT)がかかる。片やエアビーで部屋を貸しても、部屋の所有者の家賃収入が年8万3000ポンド(約1200万円)を下回っていれば、所有者にVATは事実上かからない。エアビーが払うVATは部屋の所有者からの手数料に対してのみだ。

 つまり、エアビーや部屋の所有者らは、従来の資産保有型企業よりかなり有利だといえる。

 エアビーと部屋の所有者らはホテルと全く同じ事業をしているわけではない。とはいえ、VATについては公平な競争条件が必要だ。

 部屋を貸す小規模事業者はVATがかからないという点でほかの大企業よりはるかに有利だが、重要なのは最終的にエアビーがその有利さを享受しているということだ。部屋の所有者は税金が低いので優位な価格設定ができる。それがエアビーの新たな需要を生み、売り上げを増やす。投資や雇用にも好影響が及ぶ。これでは税制を通じ、政府が間接的に勝ち組を選んでいることになる。タクシー会社と競合するウーバーにも同様の議論が当てはまる。

 こうした企業への税制を変えることは簡単ではないだろう。会社の登記方法なども変更しなければならない。だが、見直しを始める時期に来ている。

(4日付、社説)

=英フィナンシャル・タイムズ特約



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