FINANCIAL TIMES ネットフリックス、休暇無制限 従業員への信頼「先駆的」 2015/08/08 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の国際1面にある「FINANCIAL TIMES ネットフリックス、休暇無制限 従業員への信頼「先駆的」」です。





 米国の動画配信大手、ネットフリックスは明らかに他に類を見ない職場だ。従業員が自分に合った働き方を自由に決められる企業風土がそこにはある。同社に一旦入社すると、従業員は無限の休暇が取得できるなど、自分で好きなように働くよう任される。

 この企業風土はあまりにも例外的で、これを定めた文書をフェイスブックの最高経営責任者(CEO)は「シリコンバレーで出現した最も重要な記録の一つ」と形容した。この進歩的なアプローチに照らすと、同社が初めて親になる従業員に対し、第1子の出産または養子受け入れの最初の年に全額支給の有給休暇を付与すると発表したのは驚くには当たらず、むしろ感心されるに違いない。

 これは従業員にとって素晴らしいニュースだ。また、おそらく経営側から見ても堅実な戦略だ。同社が多くの同業他社と異なる点は、この有給休暇付与に見られる寛容さではなく、むしろ同社が従業員に寄せる信頼だ。

 子育てと仕事の両立への支援が不十分であることは不経済であり、不公平だ。特に女性は満足のいくキャリアか母親としての役割を全うするかの不当な二択に直面する。これが米国で女性労働者が減少している背景であり、先進国の流れに逆行している。

 だが、職場の段階的な革新には必ず経営側の拒絶が伴う。無制限休暇の試みは不発に終わることが多かった。それは従業員が自由よりもむしろプレッシャーを感じてしまうからだ。

 企業にとって特典を与えることは費用をかけることを意味する。もし競合他社が同じものを与えていない場合、非常に不利な状況に陥る。

 「ギグ・エコノミー(非正規雇用中心の労働市場)」の論理では、ほとんどの企業がコストを最低限に抑える競争をせざるを得なくなる。このことを大半の国は理解しており、そのため、休暇や育児休暇について法制化が必要であることも認識している。この先駆的なネットフリックスは別として、これは米国が他に追いつかなければならない分野だ。

(7日付、社説)

=英フィナンシャル・タイムズ特約



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