JPモルガンCEO「米利上げ、新興国動揺せず」 外貨準備など備えも/ギリシャ危機「ユーロ離脱、法制化を」 2015/07/11 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の国際2面にある「JPモルガンCEO「米利上げ、新興国動揺せず」 外貨準備など備えも/ギリシャ危機「ユーロ離脱、法制化を」」です。

JPモルガンCEOが世界経済をどのように見ているか、行間も含め、じっくりと読み解いていく必要がありそうです。そんな中で、米国経済は強い、中国経済は良好でない、日本経済はROE重視が浸透したので第3の矢(成長戦略)が放たれなくてもしばらくは堅調、以上のような見方をされているようです。





 【ニューヨーク=山下晃】米銀最大手JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン会長兼最高経営責任者(CEO、59)は日本経済新聞のインタビューに答え、米連邦準備理事会(FRB)による緩やかな利上げは「新興国市場も織り込んでいる」とし、新興国が混乱することはないとの見方を示した。ギリシャ情勢に関しては今回の混乱を教訓に「将来はユーロからの離脱手続きの法制化が必要になる」との認識を示した。

 「世界経済でいま一番複雑なのが欧州だ。通貨統合は実現したが、硬直性が生じ、その解決策は存在しない」

 ダイモン氏は祖父がアテネからの移民でギリシャ系。「何百年も戦争を繰り広げてきた欧州にとって政治・経済統合の推進は正しい判断だった」。ユーロ圏の混乱は、域内諸国の国際競争力や財政力が異なるのに為替相場を通じた調整が不可能な点に根ざす。「将来はユーロからの離脱手続きを定めざるをえないだろう」と見通した。

 「米利上げは遅いより早いほうが良い」

 金融危機後から異例のゼロ金利政策を続けてきたFRBが、金融引き締めの検討に入った。ダイモン氏は「米経済はほぼすべての業種で力強さを増している」と述べ、年内利上げを支持した。

 かつての米利上げ局面では新興国経済が動揺した。「緩やかな利上げであれば、新興国市場も織り込んでいる。10年前に比べて外貨準備などの守りもできている」とし、大きな混乱にはつながらないとの見解を示した。

 世界景気の動向は「穏やかだが米国、欧州、日本は一般的な見方よりも良好だ。だが中国はそうではない」と指摘した。

 「アベノミクスの成功に楽観的だ。カギを握るのは『第3の矢(成長戦略)』」

 ダイモン氏は「日本企業の停滞の理由の一つは企業統治(コーポレートガバナンス)の仕組みにあった」と指摘した。社外取締役を積極的に起用する姿勢に転じた日本企業の経営改革を評価する。「自己資本利益率(ROE)を高めてほしい。一部企業はもっと大胆に」と注文を付けた。

 対日戦略は「日本企業の海外進出を世界中で支援できる。世界の投資家を日本に連れて来ることもできる」とし、国際展開力の優位性を訴えた。2011年の東日本大震災時に、一部外資系金融機関で「東京脱出」が表面化した。「自分は震災から10日後に東京に入った。良い時も悪い時も日本に寄り添う」と強調した。

 「最終的に政府と争っても仕方ないと判断したが、自分を納得させるのに時間がかかった」

 08年の金融危機時に、ウォール街の有力投資銀行がドミノ倒しのように破綻したり経営難に陥ったりした。

 対照的に投資銀行部門の「JPモルガン」に加え、商業銀行部門の「チェース」をグループに擁するJPモルガン・チェースは経営と財務の安定感が際立った。政府の要請を踏まえ、公的資金を受け入れたが「あくまでお付き合い。まったく不要だった」。

 金融危機後にJPモルガンは米司法・金融当局や議会の「集中砲火」に遭った。物議をかもしたのは08年春に救済買収した大手投資銀行ベアー・スターンズ。買収はブッシュ政権(当時)の要請だったが、ベアーの違法行為の責任を問われ、制裁金を支払った。将来の危機時に誰も救いの手を伸ばさなくなる点で、ウォール街に禍根を残した。

 「大統領は好きだし尊敬している。そのことと政府の政策すべてに同意することは別だ」

 「おそらくダイモン氏は米国が擁する最も優秀な銀行家だろう」(オバマ大統領)。シカゴ時代からオバマ氏とダイモン氏の蜜月は知られ、かつては財務長官として政権入りも取り沙汰された。

 米国では8年ぶりの新人対決となる注目の大統領選が来秋に控え、ウォール街も民主・共和両党で支持が割れる。「財政規律重視など共和党にも評価できる政策はある。ただ彼らの社会的価値観には同意できない」。ダイモン氏は「自分はまだ民主党だ」と明かした。

 ジェイミー・ダイモン(Jamie Dimon)氏 ニューヨーク出身でタフツ大、ハーバード大経営大学院卒。アメリカン・エキスプレスやシティグループで頭角を現し、2000年にシカゴの大手銀バンクワンの最高経営責任者(CEO)に。04年にバンクワンがJPモルガン・チェースに買収されたのを機に同社最高執行責任者、05年CEO、06年から会長兼務。 大学院で付き合い始めた夫人とのあいだに3女。ゼネラル・エレクトリック(GE)のジェフリー・イメルトCEOらもハーバード仲間で「当時目立った日本人学生がすっかり減ったのはなぜか」と心配している。昨年公表した咽頭がんは化学療法で克服した。



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