JT「5年後の純現金収支300億円に」 米たばこブランド買収効果 配当は継続的に増やす方針 2015/10/08 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の投資情報面にある「JT「5年後の純現金収支300億円に」 米たばこブランド買収効果 配当は継続的に増やす方針」です。





 日本たばこ産業(JT)は米たばこ大手レイノルズ・アメリカンのブランド「ナチュラル・アメリカン・スピリット(アメスピ)」の米国外事業を6千億円で買収する。事業規模に対して買収額が高すぎるとの見方から、9月29日の発表翌日に株価は7%下げた。買収後の成長戦略や収益貢献をどう見るのか、新貝康司副社長に聞いた。

 新貝副社長

 ――アメスピの米国外事業は2014年度の売上高が176億円、税引き前利益が21億円です。6千億円の買収額は高すぎませんか。

 「小粒でも成長は速い。起業家精神を持った人材と組織文化があり投資すればさらに伸びる。成長事業のため買収価値を現在の売り上げ規模や利益水準で判断するのは難しい。たばこ事業での経験や医薬事業でのベンチャー投資で培った目利き力で価値を評価した」

 「米反トラスト法(独占禁止法)の規定で、買収完了前には話せないことが多い。ただ、日本や海外での成長により5年後には年間300億円のフリーキャッシュフロー(純現金収支)を生み出せると考えている。これは社内で目指す期待収益率に見合う水準だ」

 ――JTとの相乗効果は何ですか。

 「買収の狙いは当社で品薄な高価格品の拡充だ。日本は『メビウス』(430円)、海外は『ウィンストン』(日本では420円)とサブプレミアムの価格帯が主力だ。メビウスをプレミアムに引き上げようとしているが、競合する高価格品が価格を据え置いたり引き下げたりすれば難しい」 「高価格のアメスピ(480円)を持てば価格戦略を競合にくじかれるリスクが減る。20~30代の消費者の取り込みも狙える。こうした効果は買収額に含めていない。分かりやすいところではアメスピからシェアを奪われないために年間数十億円をかけていたが、この費用がなくなる」

 ――買収で財務負担が高まり商標権の償却費用も発生します。株主還元に影響はありますか。

 「買収額のうち約1800億円を手元資金、残りを借り入れで賄う予定だが、大きな負担ではない。15年12月期の配当予想に変更はない。買収を発表したので、飲料自販機事業の売却益をどう使うか資本政策を決めやすくなった。売却益を除いたベースでは16年12月期も増益を期待している。減配への懸念も聞くが、増配を(前期まで11期連続で)続けており、配当を継続的に増やしたいとの思いは変わらない」

<記者の目>買収に市場懸念、説明責任増す

 JTは米RJRナビスコの米国外事業と英ガラハーという2つの大型買収でグローバル企業へと飛躍した。M&A(合併・買収)の実績に市場の評価は高い。それでも今回の買収について経営判断に懸念を抱く投資家が少なくないことは、買収発表の翌日に急落した株価が示している。

 新貝副社長は投資案件が電子たばこなど新たな成長分野へ移る段階にあると話す。従来の投資尺度では測りきれない案件がこれからも増える可能性があり、投資家への説明責任が一段と増している。

(成瀬美和)



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