TPP、地域安保に寄与 甘利経財相に聞く 農業、対策費ありきでない/東南ア、参加希望いくつも 2015/10/09 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の総合2面にある「TPP、地域安保に寄与 甘利経財相に聞く 農業、対策費ありきでない/東南ア、参加希望いくつも」です。





 甘利明経済財政・再生相は8日の日本経済新聞のインタビューで、環太平洋経済連携協定(TPP)の大筋合意は経済成長を促す効果とともにアジア太平洋地域の安全保障に貢献すると強調した。国内の農業対策については、打撃を受ける農家への損失補填に力点を置いた過去の対策にとらわれず、成長産業への転換につながる政策を重視する考えを示した。

 ――TPPは日本にどんな利点があるか。

 「12カ国のバリュー・チェーン(価値の連鎖)ができる。それを前提にモノと人と資本が自由に行き交う。新しい商取引への対応もできる。その障害となっているものを外し、問題があれば協議する仕組みができた。TPPが経済成長にプラスにならないわけがない」

 「東アジアは非常に不安定な地域だ。中国の覇権があり、北朝鮮があり、そういうなかに米国のプレゼンスが経済を通じて直接絡んでくる。TPPは経済の話だが、これは間接的な安全保障で地域の安定に貢献する。やがて中国も仲間に入らざるをえなくなってくる」

小国もメリット

 ――韓国も参加を検討している。

 「東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国でも入りたいという意思表示を非公式で言っている国がいくつもある。早く入れてくれという順番待ちが始まっている。米国以外の国は、日本がTPP交渉に参加してくれて本当によかったと言っている。ライオンとウサギの間にトラが入り、ライオンにしっかりものを言う。そうすることによって経済小国にも大国にもメリットのある内容になっていった」

 ――新たな参加国にあわせてルールを見直すことはないのか。

 「基本は12カ国がつくったルールだ。新しく入る国の事情に配慮して変えることはない」

 「RCEP(東アジア地域包括的経済連携)など、協議が遅滞している枠組みを動かす潤滑油にもなる。中国も国有企業を民営化していく際、TPPのルールを無視して独自型という具合にはいかなくなる。日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)交渉も加速していくだろう」

飛躍のツール

 ――日本ではいつTPP協定案の国会承認をめざすのか。

 「できるだけ直近の国会に出していく。来年1月からの通常国会で正々堂々と審議するのがいいのではないか」

 ――自民党内には来年夏の参院選で農業票離れを懸念する声も多い。

 「TPPは後ろめたい気持ちでやるわけではない。農業が一気に飛躍していくツールだ。日本の農業は成長産業で、TPPはそのための環境整備だということを理解してもらわないといけない」

 ――国内農業対策の予算規模は1990年代のウルグアイ・ラウンド対策事業費約6兆円がたたき台になるのか。

 「ウルグアイ・ラウンドは外国産の農産物に攻められるから国内農業に補填するものだった。TPPは魅力ある日本の1次産業の強みを伸ばし成長産業にしていくためにある。基本姿勢が違う」

 「金額の規模は政府の対策本部で決める。農産品はTPPが発効してから長い年数をかけて段階的に関税を下げる。今の時点でこれだけ対策費が必要というのではなく、農業をどのように強化していくのかを綿密に考えて予算を組んでいく。額ありきではない」

 ――今後のアベノミクスで必要なことは。

 「企業収益は最高なのに、設備投資はまだ一歩踏み出せていない。だからこそ、これからはじまる官民対話を通じて踏み出してほしい。踏み出さないと内部留保で食いつないでいくだけになる」

 ――岩盤規制改革はどの分野に切り込むのか。

 「官民対話を通じて実体経済の現場から意見が出てくるのが適切だ。政府もやることはやる。たとえば規制緩和でなにかしてくれということは、できることは即決する。現場の声にはすぐに応えたい。だから思い切って踏み出してほしい」



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