20年投信、8割が好成績 2018/06/02 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の「20年投信、8割が好成績」です。





人生百年時代の資産形成のパートナーとして投資信託を選ぶなら、10年、20年と長く保有することが前提となる。ところが日本では公募投信の平均運用年数が約7年にとどまり、運用実績を積み重ねている商品は多くはない。長く付き合える投信はどう選べばよいのか、長寿投信の実例をもとに探ってみた。

日本の投信市場の現状を示すのが図Aだ。6000本近くある追加型公募株式投信のうち半数近くは運用年数が5年未満。10年以上運用を続ける投信は3割弱で、20年以上に限ると3%にとどまる。

図A

運用年数が短いのは日本独特の販売慣行に原因がある。販売会社が売りやすさを求めるあまり、その時々の注目テーマに着目して運用会社が次々と商品を設定。時間がたつと次の商品を投入するということを繰り返してきた。

成長・割安を軸に

そんな中でも実績を残す投信はある。運用開始から20年以上たつ投信34本(アクティブ運用の国内株式型)の20年間のリターンは平均271%(今年3月末時点)。同期間の東証株価指数(配当込み)の87%を大きく上回る。34本のうち8割にあたる27本が同指数に勝っている。

一部を表Bに示した。格付投資情報センター(R&I)が「ファンド大賞」の20年部門として表彰した投信だ。価格変動リスクに見合った運用成績を上げているかどうかを示す指標(シャープレシオ)を基に、運用効率が高い投信を選んでいる。

表B

受賞投信に共通するのが、2008年のリーマン・ショックや11年の東日本大震災など環境の激変を乗り越え、運用方針を貫いてきた点だ。国内株式のカテゴリーで最優秀ファンド賞の「ハイブリッド・セレクション」は成長銘柄と割安銘柄の割合を局面に応じて変える運用スタイルを続け、好成績を上げてきた。

国内中小型株で最優秀の「インベスコ 店頭・成長株オープン」は、新興市場の銘柄を中心に投資し、20年間のリターンが1000%を超える。新興企業は「東証1部へ上場する前後の3~4年間に最も評価されやすい」と考え、成長過程の銘柄を厳選してきた。インベスコ・アセット・マネジメントの得能修チーフ・ポートフォリオ・マネジャーは「経済成長率が伸びないなかでも中小型株が市場のパイを奪う構図は変わらない」と強調する。

信託報酬の確認を

両投信とも約20年にわたって運用の主担当者を変えていない。運用哲学を投信会社としても支持し、運用を任せてきたと言える。投信会社の姿勢を判断するには開示情報の充実度が材料になる。

長寿投信の中にも運用の実力が伴わない商品はある。企業年金の運用先に選ばれるなど取引先との関係上、存続してきた例もある。残高が減っても償還できず、結果的に運用期間が長くなりやすい。

長期でつきあえる投信を見つけるポイントを表Cにまとめた。まず把握したいのが、保有期間中差し引かれる信託報酬というコスト。長期になればなるほど運用成績に響くため、同種の投信と比べて高すぎないか確認しよう。

表C

残高や分配方針にも目を配りたい。残高が小さい投信は繰り上げ償還のリスクがある。分配頻度が多かったり、一度に多額の分配金を出したりするタイプは複利効果が薄れる。とりわけ若年層が長期で資産形成するのに向かない。

(格付投資情報センター チーフアナリスト 海老沢 界)



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