2014/02/11 本日の日本経済新聞より「経営書を読む アンダーヒル著「なぜこの店で買ってしまうのか」(1) ショッピングの科学 買い物客視点で分析」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のキャリアアップ面にある「経営書を読む アンダーヒル著「なぜこの店で買ってしまうのか」(1) ショッピングの科学 買い物客視点で分析」です。





 本書はショッピングの科学を論じた本です。1999年に米国でベストセラーとなり、2008年にはインターネットに触れた新版が出ました。消費者が製品を手に取る現場について理解を深めることは小売業者にとどまらず、製造業に携わる人にも役立つでしょう。

 ショッピングの科学とは「調査、比較、分析を通して商店や商品を買い物客により適合させるための高度に実践的な学問」で、「都会の文化人類学者のツールを利用して、ショッピング環境への人びとのかかわりを研究してはどうか」という著者のアイデアから生まれました。店舗での消費者行動をビデオカメラで撮影、分析もしますが、基本はトラッカー(追跡者)が、買い物客を尾行し、行動を逐一記録することにあります。

 マーケティングはブランド・ロイヤルティーの重要性や広告でどうメッセージを届けるかについてアイデアを提供してきました。しかし、現在では多くの購買決定が店頭でなされるようになり、ブランド・ロイヤルティーや広告宣伝効果の低下が顕著になっています。今ではショッパーズ・マーケティングの重要性は広く認知されていますが、「ショッピングの科学」はその嚆矢(こうし)といえるでしょう。

 「買い物客は店にいる時間が長くなればなるほどたくさん買う。客が店内に滞留する時間は、その場がいかに快適で楽しいかによる」とあり、ショッピングの科学を3段階で論じています。第1段階は快適な店づくりのための人間に共通する特徴への配慮。第2段階は性別や年齢によって行動パターンが違うことへの理解。最後は買い物に際し何が最大の誘因となるかを探ることです。

 過去の分析の多くは供給者視点でした。本書は買い物客視点で書かれています。経営書というと戦略、組織などを論じがちですが、消費者、買い物客、顧客に対する想像力が働かないと、具体的な仮説が描けません。

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