2014/02/21 本日の日本経済新聞より 「大機小機 「非定型」労働を強くする」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞14版の19面(マーケット総合2)にある「大機小機 「非定型」労働を強くする」です。





 厚生労働省の雇用政策研究会は6日まとめた報告書で、生産年齢人口の減少とグローバル化による競争激化の中での将来ビジョンを掲げた。「仕事を通じた一人ひとりの成長と、社会全体の成長の好循環」を目指し、分業について述べている。

 日本では製造業務に代表される中程度のスキルの仕事が減る一方、専門知識や高度なスキルが必要な仕事と、家事支援のように低スキルだが手仕事的な労働が増えているとの指摘がある。

 前者は「定型業務」、後者は「非定型業務」と呼ばれる。今後の労働需要を見通すうえでは、サービス・消費需要の変化を考えることが必要だ。生活必需品だけでなく介護や家事支援など、さらに生活を楽しんで豊かになる娯楽や美容サービスなどの「非定型業務」の重要性が増してくると思われる。

 定型業務は、外国の企業に外注したりシステム化したりしやすいため、企業にとっては雇用の維持につながりにくい面がある。となれば雇用の安定のために取り組むべき本当の課題は明確だ。

 製造など中級スキルの定型業務が、日本のような高所得国から賃金コストが安い新興国など低所得国に流出したり、ICT(情報通信技術)に取って代わられたりして、国内の雇用が失われていることにどう対応するかである。これは主に定型業務が対象になる正規・非正規労働のあり方を巡る議論とは違う。

 では、付加価値を生み出す非定型業務をどう拡大するか。専門知識やノウハウが要る高度・非定型業務は人材開発で対応できる。介護・家事支援といった低度・非定型業務については労働条件を改善して生産性を高めることが大事だ。

 日本で育成した高度人材には日本で事業展開してもらうのが望ましい。それが新たな雇用を生み、稼いだ利益を納税という形で還元する経路ができるからだ。そう考えていくと産業、財政、雇用など様々な問題の解決の糸口が見えてくる。

 労働は生産から生まれる「従属需要」だが、同時に生活安定の礎でもある。研究会の報告書には、労働者の希望を生かした多様な働き方を促し、「正社員=いつでも残業」という時間意識を変えようともある。労働需要の質的変化に対応した労働インフラ(柔軟な人材供給)をつくることが求められる。

(石巻)

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