2014/04/10 本日の日本経済新聞より 「法人減税 展望と課題(下)」

本日も前日に続いて「法人減税 展望と課題」をテーマにしたい。日本経済新聞14版の5面(経済)にある「法人減税 展望と課題(下)」から、要点と所感を整理する。

ここでは2者の識者見解が掲載されており、経団連税制委員長の佐々木則夫氏、ローソンCEOの新浪剛史氏、それぞれの言及点について整理することから始める。

  1. (佐々木氏)企業の国際競争力の強化のためには、海外の実効税率とイコールフッティング(同一の競争条件)でなければならない。(新浪氏)世界でビジネスを展開する上で他の国と見劣りする環境は直していくべき。
  2. (佐々木氏)対日直接投資の拡大を期待するためには、まず、高い実効税率を下げる必要がある。
  3. (佐々木氏)日本はデフレを克服し、経済成長が見込まれる中、法人税率を下げても税収が増える姿を想定していかなければならない。
  4. (佐々木氏)成長が始まっている中で、税率を下げると加速する。規制改革と合わせて税収がマイナスにならないようにすべき。(新浪氏)税率引き下げだけでなく、農業や医療介護、雇用などの抜本的な規制改革を進め、将来、法人税を払える新しい事業や会社が生まれる土壌を整備すべき。
  5. (佐々木氏)研究開発減税などの租税特別措置が何のためにあるのか、政策目的に合致しているものは、海外と競争していくために必要なものとして残すべき。
  6. (新浪氏)増減税同額に考慮しつつ課税ベースの拡大、例えば7割の法人が法人税を払っていない現実、役割を終えたような租税特別措置による減税の見直しが必要。
  7. (新浪氏)大前提としてデフレ脱却、経済成長という環境下で、財政再建を長期的視野で進める。財政再建のためには、直間比率(直接税と間接税の割合)を諸外国並みに是正すること、医療や介護の自己負担額増など社会保障改革が必要。若い世代に受け入れられるものでないといけない。
  8. 以上について、筆者の気づきを整理した。

    1. グローバル社会において競争優位となるノウハウがあったとしても、社会制度が劣位のためにノウハウの優位性が発揮できない、今の日本企業が置かれている状況を端的に表現するとこうなるのではないか。
    2. 投資はリスクとリターンによって判断されるが、これも海外との相対評価で決まるものであり、高い実効税率が足かせになっているのは火を見るよりも明らかである。一刻も早く実効税率を下げる一方で、増減税同額の観点から新たな課税対象を見出すべきである。愛好家にとっては乱暴極まりない話だが、例えば、酒やタバコなどのし好品を対象にするので良いと思われる。
    3. 人口減の折、経済成長なくしては税収や人口減の抑制など、なんら日本経済にとってのプラス効果は期待できない。経済成長のために、いや、日本の未来史のために規制改革は必至であり、痛みの分かち合いなどの精神論ではなく、不退転の決意の度合いの最たる覚悟で敢行すべきものである。
    4. 「成長が始まっている中で、税率を下げると成長が加速する」、この論理は少し乱暴な気がする。税率を下げれば可処分所得が増すが、この行方次第と思われる。規制改革により、可処分所得の使い道が広がる、こういう効果に期待する。
    5. 租税特別措置は、その有効性を評価する必要があり、官僚ではなく、第三者機関が常に検証するような仕組みが望ましい。民主党政権時代に行われていた事業仕分けのようなアプローチは自民党でも復活させてほしい。
    6. 新浪氏の論理は、高税率で福祉の維持にポイントが置かれているように感じるが、低福祉とそれに見合う税率で良いのではないか。筆者は、税を払わない一方で福祉を社会に求める社会依存型の人間を減らし、一人でも多くの人材を社会のグローバル化にふさわしく育成できるよう、福祉よりも教育環境に重点を置くべきという持論である。

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