2014/04/15 本日の日本経済新聞より 「新ロ派、退去拒否し抗戦」

今日は、日本経済新聞14版の1面にある国際記事「新ロ派、退去拒否し抗戦」から、要点と所感を整理する。

ウクライナ新政権、強制排除の構え

ウクライナ東部の主要都市で行政施設の占拠を続ける親ロシア派勢力は14日、新政権が最後通告で求めた同日午前9時(日本時間同日午後3時)までの武装解除と退去を拒否し、徹底抗戦の構えを鮮明にした。新政権側は軍の投入を検討、全面的な強制排除に踏み切る構えで、現地の緊張は高まっている。

ウクライナのトゥルチノフ大統領代行は、新ロ派武装勢力を排除する「対テロ作戦」を辞さない姿勢を重ねて強調している。「やるぞ、やるぞ」と、繰り返しメッセージを発信する中で、新ロ派の動向をウォッチしている。また、新ロ派の要求事項である自治権拡大(=連邦制移行)について、国民投票の実施に応じる姿勢を示すなど、硬軟織り交ぜながら、対応している。対応を先鋭化させず、落としどころを模索する姿勢が伝わってくる。

ロシアのプーチン大統領は、中国との水面下での連携を足掛かりに、”欧米による経済制裁”と”領土拡大”を天秤にかけ、ロシア住民の保護を大義名分として、最終的に東部侵攻するものと思われる。ロシアが見極めているのは次のポイントである。

  • 失地回復はロシアの威信事項である。それが適わくとも、隣接する国家が欧米化するのは国防上、避けたい。欧米に傾きかけたウクライナを分断させ、東西ドイツ化させるスキームが視野に入っている。ウクライナ東部の連邦制でも十分に達成できる。
  • ロシアのガスに資源依存する欧州にとって、ロシアへの経済制裁は自身にツバするものである。よって、経済制裁を強めようとも、G20などの枠組みを通じて制裁を撤回するきっかけを欧州が自ら模索することになる。その結果、侵攻の既成事実だけが残る。
  • 東西再冷戦は、中国に依存する財政赤字や経済の問題をヒートアップさせ、民主党の基盤を危うくする。今後、米国では2年は大統領選挙が行われないが、その間の米国の弱さを見透かしている。
  • 欧州は事実上のデフレとなっており、EU全体の経済の先行きが不透明で不安視されている。そこに、ロシアからのエネルギー源が途絶えた場合、経済が成長軌道に戻らないまま、経済収縮となる。

足元の脆弱性により、内政を抑えきれない欧米は、国内とロシアという2方向と対峙することができない。

一方、ロシアが情勢的に劣位でない理由は次のとおりである。

  • 国内問題は国内テロも含め、強権によりコントロールできる。
  • 上海協力機構や日本・インドといったアジア重視に転換しており、中国やインドといった経済規模の大きい各国との連携によりおり、国富は実現可能である。
  • 中国の意向は欧米とロシア双方が無視できず、結果、中華再興により、世界の三鼎化につながる。これはロシアの基盤を強化するものである。

ロシアは、世界がロシア懐柔策に向かうことを認識しており、再冷戦、つまり世界二極化は難しくとも、中華を含めた世界の三鼎化の1ポジションを獲得することが可能である。

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