2014/04/18 本日の日本経済新聞より 「東京五輪 人手不足が深刻」

今日は、日本経済新聞13版の14面(企業1)にある「東京五輪 人手不足が深刻 新規雇用81万人、建設などで リクルート系推計」から、要点と所感を整理する。

リクルートホールディングス傘下のリクルートワークス研究所は17日、2020年の東京オリンピック開催で、13~20年までに81万5千人の新規雇用が生まれるとの試算を発表した。建設業とサービス業が6割を占める。足元では景気回復による人手不足が顕在化しつつあるが、一段と深刻化する。同研究所は「高齢者の活用など人材確保の新しい仕組みが必要だ」としている。

もっとも人材需要が高まるのが建設業。競技施設や道路整備のため、20年までの8年間で約33万人の人出が必要になる。警備や通訳などのサービス業、飲食・宿泊業などでも新たな雇用が生まれ、この結果、失業率は1.2%改善するという…

事実上のデフレが長く続いた市中経済で、建設業は国内建設事業の停滞やアジア経済全体の勃興により、人的資源を再配置し、圧縮してきた。

そんな最中にアベノミクスによる景況感の大きな転換は建設業界のみならず、各業界の人手不足を引き起こしている。平成26年2月で国内の有効求人倍率は1.05倍、新規求人倍率に至っては1.67倍と大幅なかい離を見せ、人材の需給動向が大幅に変化しただけでなく、かい離幅の大きさから、今後、人手不足が慢性化する兆候を見せている。

その折に、東京五輪決定という追加要因が加わり、人材の流動性が低い日本の労働市場は一気・果敢な転換に全く追随できていないのが現状である。

さて、この人手不足、特に、自動化しにくい業務においてどのように解決していくかである。これはひとえに人材の再興、労働市場からドロップしている方々を呼び戻すことが先決である。年齢や家族要因で一線を退いている戦力を呼び戻す環境を構築するのである。カンフル剤として最も期待が高いのはこの方法である。

次に有力な方法は、死に体となった企業から人手不足の業界へ人材移動を促す促進策である。既に政府も取り組み始めているが、支援がないと雇用を維持できないほどの状況に陥っている企業の人材に魅力ある求人を提供すること、雇用調整助成金などの企業延命策を速やかに収束させること、などである。こうした需給調整の最前線にあるハローワークが機動的に対応できなければ、彼らには民営化あるいは地方移管の最後通告を用意するのが良い。

建設業においては外国人労働者に期待する声も聞かれるが、女性が働けるような現場改善を促す必要がある。中小零細の建築業の経営者においては、自らの職場環境を変える意識を持ち、行動に移すことが重要である。また、サブコンやゼネコンにおいては、下請けの女性労働者を厚遇する環境づくり行うことが重要である。

仕事のボリュームが増えており、売り手市場と化している現状、女性の登用により生産力が向上すれば受注拡大につながる。こうした取り組みは業界のためであり、各社のトップが連帯して英知を絞るべきである。

人手不足を招いている他の業界においても同様で、同種、同タイプの人材に絞って募集をかけるのでは、道は開けない。受け入れ環境を再構築するぐらいの覚悟で人材難の時代を乗り切る必要がある。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です