2014/04/30 本日の日本経済新聞より 「洋上風力発電に参入」

今日は、日本経済新聞12版の7面(企業)にある「洋上風力発電に参入 ソフトバンク、17年稼働 主力の太陽光補う」から、要点と所感を整理する。

ソフトバンクは洋上風力発電事業に参入する。茨城県の沖合で計画する企業へ子会社を通じて5月中に出資する。年内に建設に入り、2017年に発電を始める計画。総事業費は数百億円の見通し。ソフトバンクは再生可能エネルギー事業に力を入れるが、主力の太陽光発電所の新設に適した土地は残り少ない。風力発電も加え、再生エネ事業の拡大を続ける。

風力発電所の出力は9万キロワット。茨城県神栖市の海岸から600~1600メートル離れた沖合に、出力5000キロワットの発電機を18基設置する。日本で初めての商業用の洋上風力発電所となる見通し。総事業費は500億円を上回る可能性が高い。…

記事によると、2013年度末の風力発電の国内設備は271万5000キロワットでほぼすべてが陸上設置、これが2020年代から洋上風力へ移行し、2040年度には風力全体の5割弱が洋上になるとの予測である。また、2014年4月から再生可能エネルギーを固定価格で買い取る制度の対象に洋上風力発電を加えており、価格は1kwhあたり36円(税別)とのこと。

2017年に発電を始める予定のソフトバンクの風力設備から見込める採算を試算してみる。

出力90000kw(最大)につき、90000kwh×設備利用率20.6%×24時間×365日×36円となり、年あたり58.467744億円の収入となる。一方、kwhあたりの設備投資額は、50,000,000,000÷90000であるから,
55.56万円/kwhとなり、太陽光発電のバロメーターとなっている30万円/kwhよりも投資効率が悪い。そして、500億円のイニシャルコストとは別に、ランニングコストとなる洋上発電の経費、特に保守点検や漁業利権の継続的補償などの経費がどれぐらい見込まれるかである。ちなみに、設備利用率は自然エネルギー白書(風力編)2013 – 日本風力発電協会のP.7から引用した。

私見として、洋上風力発電の売電単価36円はしばらく下がるまい。丘発電と比べ、有力な投資案件との所感である。

しかし、洋上風力発電設備は現在も設備開発の状況にあり、各社は現段階で投資判断しづらい案件である。それにソフトバンクが乗り出した背景には、先行的な設備稼働事例を持つことで、各種の競争優位を得られ、それがキャッシュフローとは別の資産価値を形成するとの読みがあると考えられる。

洋上風力発電への新たな参入企業が見込めず、売電単価36円/kwhという外部環境がしばらく変わらないとすれば、投資判断は比較的簡単に行える。4月の政府の制度公表とほぼ同時にこのような事業計画を公表できるソフトバンクの企業力を感じさせる記事であった。

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