2014/04/30 本日の日本経済新聞より「カリスマ目線で株探し 公開情報みて知恵拝借」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のマネー&インベストメント面にある「カリスマ目線で株探し 公開情報みて知恵拝借」です。





日経新聞20140430カリスマ目線で株探し

 日本の株式市場には約3500の会社が上場している。どの銘柄を買えばいいか途方に暮れる初心者は多い。そんなときはプロの投資家たちの目利き力を拝借するのも手だ。実は、著名ファンドが投資している銘柄を簡単に知る方法がある。カリスマの技を盗むノウハウを解説する。

 米国の個人投資家の間で「グル(カリスマ)ファンド」と呼ばれる投資信託が話題だ。ヘッジファンド業界の大御所、ジョージ・ソロス氏や著名投資家のウォーレン・バフェット氏らが買った株式を探し出し同じ銘柄を組み入れる。カリスマたちの運用をまねるファンドだ。

 その一つである「グローバルXグル・インデックスETF」という上場投信(ETF)は複数のヘッジファンドを対象に保有株式を追跡しプロの間で人気がある銘柄を組み入れる。このグルETFの2012年暮れからの値動きをみると、ダウ工業株30種平均を1割強上回る上昇率だ。(図A)

1ヵ月半遅れでも

 ヘッジファンドだけでなく大手機関投資家の保有株も調べて、運用をまねる上場投信もある。カリスマの銘柄選びのレシピをどうやって手に入れるのだろうか。種明かしすると簡単だ。米国では米国株への投資が1億ドルを超える投資家は四半期に1回、保有株のリストを米証券取引委員会(SEC)に出す義務がある。この公表情報をみれば手の内が分かる。

 例えば、最近りそなホールディングスへの投資を明かして話題となった著名投資家のデイビッド・アインホーン氏。経営するヘッジファンドのグリーンライト・キャピタルもSECに保有株リストを提出しており、それをみるとアップル株などを持つことが分かる。ただ、米国の上場株だけが開示対象なので日本への投資などは分からない。

 通常は四半期末から約1カ月半たった後にリストを公表する点にも要注意だ。直近の状況がすぐ分かるわけではない。それでも、カリスマ好みであれば、遅れて買ってもいい結果を得られるはずだというのが物まねファンドの発想だ。

 日本ではこうした物まねファンドはまだない。しかし、実は日本でも公開情報を使えば、米国のプロが買う意外な株を発掘できる。持ち株比率が5%を超えた銘柄について、投資家が財務局に提出する「大量保有報告書」をみればいい。俗に「5%ルール」と呼ばれる情報開示制度だ。

 報告書には保有株数や持ち株比率などが記されている。個人でもネット上の金融庁の電子開示システム「EDINET」で報告書を読める。図BがEDINETで報告書をみつける手順だ。サイトの「書類簡易検索画面」から、決められた欄にファンド名や運用会社名を入力する。上場会社名で検索すると、その会社について提出された大量保有報告書が出る。

中小型株が居並ぶ

 試しに米国の大手運用会社フィデリティ(正式名はFMR)の名前を入力して検索すると、たくさんの大量保有報告書が一覧に並ぶ。表Cにその一部を抜き出した。まず気づくのは時価総額の小さな会社が多い点だ。

 中小型株の方が5%ルールの対象になりやすいのが背景だ。例えば、同じ10億円を投資してもトヨタ自動車など大型株では5%を超えない半面、時価総額の小さい会社を買えば5%を超えやすい。違う運用会社で検索しても中小型株が出てくる例が目立つ。

 大型株でないと物足りないという人もいるだろう。しかし、中小型株の方が個人には好都合という見方もある。日本のフィデリティ投信の松井亮介ポートフォリオマネージャーは「小型株は業績に影響を与える要因が1つか2つに絞られ、個人投資家にとっても分かりやすい」と話す。

 大企業は事業内容が多岐にわたるなどし、さまざまな材料で株価が動く。一方、中小型の企業は独自のビジネスモデルや製品分野で勝負している例が多く分かりやすい。知名度が低く大型株に比べ割安に放置されている銘柄も多い。

 株式投資に詳しいファイナンシャルプランナーの福島由恵氏は「プロが保有する銘柄は専門家による吟味を経ており、個人には有益な情報だ。投信の各ファンドが公表する運用報告書で組み入れ上位銘柄をみるのも参考になる」とも話す。

 ただ、カリスマでも判断ミスはある。あくまでも個別銘柄をふるいにかける方法の一つぐらいに考えるべきだ。また、大量保有報告書などには、どこが気に入って買ったのかまでは書いていない。自分で個々の会社の魅力について勉強することが大切だ。

(編集委員 三反園哲治)

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