2014/05/16 本日の日本経済新聞より 「法人税 減税先行を容認」

今日は、日本経済新聞14版の5面(経済)にある「法人減税 減税先行を容認 政府税調が改革案 財源、複数年で確保 外形標準課税を強化」から、要点と所感を整理する。

政府税制調査会がとりまとめる法人税改革案が15日明らかになった。安倍晋三首相が同日指示した法人減税の財源は「単年度での税収中立(増減税同額)である必要はない」と明記。減税先行を容認し、複数年度で恒久財源を手当てする方針を示す。代替財源として赤字企業にも支払い義務がある外形標準課税の強化など増収策を提案する。

16日の法人課税専門委員会で大田弘子座長が改革案を示す。法人実効税率の引き下げは「避けて通れない課題」と位置付ける。その目的として「立地競争力を高め、企業の競争力を強化する」ことを第一に掲げた。必要な財源は複数年度で確保し減税を先行させるが、「恒久減税である以上、恒久財源を用意することは鉄則である」とした。

具体的には都道府県に収める法人事業税のうち、事業規模に応じて都道府県に税金を払う外形標準課税の強化を挙げた。対象を資本金1億円以下の中小企業に広げることや、法人事業税に占める外形標準課税の割合を拡大することを検討する。…

消費税の2段階増税(5→8%、8→10%)により、個人への徴税は「広く浅く」から「広く深く」へとシフトしつつある。稼ぎに課税される所得税、支払いに課税される消費税、この二重の苦しみを個人は味わうことになる。

一方、法人への徴税は稼ぎに課税される法人税、法人実態に課税される法人事業税があるが、法人税は個人の所得税と趣が異なる。法人税に関して言えば、いくらたくさん稼いだとしても、たくさん支払えば税金を支払う額が抑えられることから、個人の二重苦と比べ、ずいぶんと性質が大人しい徴税の仕組みである。

また、法人事業税の外形標準課税部分もこれまで中小企業に配慮した制度となっており、一部の法人しか支払っていない上、所得累進課税部分については法人税と同じ仕組みである。

法人は法により権利の庇護下にありながら、税制面で個人より優遇されているゆえに、税制に関して個人からの反発が大きい。今回の改革案はそうした法の庇護下にある基本的権利を持ちながら、所得が少ないために税を納めなくともよいとされているような法人を対象に、課税しようという意図が透けて見える。

そもそも、儲かっていない法人というのは、売り上げが少ないか、経費が過大にかかっているか、のいずれかである。企業社会の競争上、いずれも不適格と言える実態であり、是正されなければ淘汰される運命にあるものである。税制面の配慮が必要な対象として優先度が高いのはこれらの法人ではない。

税制優遇の廃止案として、欠損金の繰越控除期間の短縮、減価償却の定率法廃止、法人事業税の外形標準課税の強化、などが上がっているが、これらによってあまり儲かっていない法人からの徴税は確実に強化される。この法人のうち、ベンチャーなど、創業や黎明期で支援を必要とするものに対して期間を区切って税制面の配慮を行うべきである。

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