2014/05/19 本日の日本経済新聞より 「核心 不本意な成長でも回る国に 夢追い政策の犠牲は国民」

今日は、日本経済新聞14版の4面(経済)にある「核心 不本意な成長でも回る国に 夢追い政策の犠牲は国民」から、要点と所感を整理する。

念願かなわず志望校でない学校に入るのが不本意入学。不本意就職、不本意結婚もある。フホンイ知らずの人はまずいない。

では安倍政権の経済運営は狙い通りいくだろうか。実質2%台と高めの成長によって財政や社会保障の問題を片付ける発想は、ダイエー創業者、中内功氏の「売り上げはすべてを癒やす」にも似る。結局はかなわなかった氏の思いだ。

人口減少で「経済成長の天井」も懸念されるなか、効果が読みにくいような成長戦略では1%台の持続も怪しい。不本意な低成長が続いても社会が回る仕組み作りこそが大事ではないか…

(以下は、本文を端折る形で掲載する。)

「財政はどう考えても持続可能でない。いずれクラッシュして教育投資どころではなくなる。厳しい国際競争の下、民族精神が弱まっているところ、一旦破たんしたら立ち直れるかも危うい。」(神田眞人著「強い文教、強い科学技術に向けて」)。

安倍政権は高めの成長による税収増で財政の改善に自信を見せている。

内閣府は2017~2023年度に実質2%台の成長を見込み、基礎的財政収支の均衡(財政が借金に頼らず社会保障などの政策経費を賄える状態)に近づくとしている。

一方、民間ではこの予測を下回る成長予想が多い。政府の高めの成長予測のタネは、全要素生産性(技術進歩や人の稼働率などを映す)の設定の仕方であり、バブル期を挟む10年間の平均を基にしており、好景気の再来を見込んでいることになる。

これはあり得ない話ではないか。今は、労働力人口の減少により年あたりの成長率を0.5%も押し下げる時代であり、TPP、国家戦略特区、法人税減税、規制緩和などを見込んでも2%台は遠いと言わざるを得ない。

また、高めの成長により財政改善という筋書きそのものを疑う話もある。大和総研は「社会保障制度を変えない限り、成長率の違いが将来の財政収支に与える影響は小さい」とする。その理由は「長期的に見ると年金は現役の給与と連動し、成長率が高めで現役の給与が高くなれば給付も増え、医療と介護の給付も賃金連動の色彩が濃い」ためである。出ていくものは成長率に応じて比例的に増減するということであり、根幹の社会保障制度を変える必要があるとのことである。

また、社会保障制度が今のままだと高めの成長さえも難しいとの意見もある。医療や介護産業は参入規制になどに守られて生産性が低い。これらの産業の比重が高齢化で高まれば、成長率は低くなる。

このような分析があるにもかかわらず、政府が社会保障の抜本改革に動かない。

社会保障の改革には、自助努力の支援などの環境づくりが必要だ。福祉を削ったサッチャーは個人の株式保有を税制で優遇した。しかし、日本はNISAを始めて税収を260億円減らす一方、上場株の売却益などへの税率を20%に戻したことで税収を1700億円増やし、支援が後退した面がある。

成長に頼らず進めるべき財政改善策は、社会保障だけではなく、公務員給与の削減や行政サービスの民営化などある…

要するに、高成長頼みの財政改善は思ったほどの成果が出ない可能性があるので、成長率に傾注した一本やりの政策ではなく、社会保障制度の見直しなども進め、低成長でも財政均衡が実現できるようにするべき、このような見解である。

高成長でも意外と財政上の恩恵がない可能性を悲観し、国家の発展を追い求めないコラムである。「夢追い政策の犠牲は国民」などと揶揄する表現付きで、経済紙としての体面は何も考えてない愚稿である。そもそも、夢は実現させるために努力するものである。無謀な夢と切り捨てるのではなく、分かっている事実や可能性から新たな方向を見出し、高成長による財政再建モデルを見出す、このような建設的紙面としていただきたい。

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