2014/08/13 本日の日本経済新聞より「大機小機 ドイツに敗れた日本」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のマーケット総合2面にある「大機小機 ドイツに敗れた日本」です。

ドイツはユーロ圏で財政黒字を達成した唯一の先進国です。日本との対比で、何が違うのか、日本には何が求められているのか、そういう焦点で記載された記事です。





 サッカーの話ではない。経済でも外交でも日本はドイツに大差をつけられている。戦後69年、同じ敗戦国として廃虚と混乱の中から立ち上がった。ほぼ同じ道を歩んできたはずなのに、なぜこうも違ってしまったか。

 日独の戦後の歩みには共通項が多い。冷戦下で、日本経済再生のためのドッジ・ラインとマーシャル・プラン(欧州復興計画)に支えられ復興した。ともに軽武装で経済優先の路線を堅持し「経済の奇跡」が実現した。

 違いが鮮明になったのは近隣諸国との関係である。ドイツが独仏融和を軸に欧州連合(EU)を築き、深化・拡大させたのに対し日本は中国、韓国という重要な隣国との関係でつまずいている。

 国際政治の舞台でもドイツは存在感を高めている。イランの核問題では国連安保理常任理事国とともに交渉にあたる。ウクライナ危機打開でカギを握るのもドイツ。メルケル首相はどの主要国首脳にもすぐに会える。

 安倍晋三首相の地球儀を俯瞰(ふかん)する外交には、中韓という隣国が抜け落ちている。歴史認識の食い違いは大きい。日米は中国の海洋進出に強い懸念を共有しているが、オバマ政権は中韓と対話できない安倍政権に不安を抱いている。

 経済でも差は広がっている。ハイパー・インフレを経験したドイツが財政規律、強い通貨、物価安定を優先したのに対し、1ドル=360円に安住した日本は円高恐怖症が根付いた。過剰流動性からバブルを発生させ、それを退治するためデフレを招いた。安易な財政出動を繰り返し財政規律は今も緩んだままだ。

 ドイツは財政黒字を達成し借金なしの予算が組めるのに、日本は2020年度の基礎的財政収支の黒字化さえ望めない。長期債務残高の国内総生産(GDP)比は2倍超と先進国最悪である。

 ともに経常収支の黒字国だったのに、ドイツは中国を上回る最大の経常黒字国になり日本は経常赤字国に転落しかねない。双子の赤字国になれば優等生との差は開く。

 経済と外交は絡み合っている。ドイツの成長はEUの深化・拡大によるところが大きい。一方で、中韓との関係冷却で日本は世界の成長センターの恩恵を十分に享受できない。戦後69年、なぜ日本はドイツに敗れたかを検証するしかない。ドイツに何を学ぶかで日本の針路は決まる。

(無垢)

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