2014/08/14 本日の日本経済新聞より「真相深層 オバマ氏動かした5分間 イラク空爆決断」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の総合1面にある「オバマ氏動かした5分間 イラク空爆決断」です。





 オバマ米大統領がイラク空爆に踏み切った。米軍のイラク撤退を掲げて大統領の座を射止めたオバマ氏にとって根本的な政策転換となる。いったん表明して取り下げたシリアへの対応に象徴されるようにオバマ氏は軍事介入に一貫して慎重だった。「一丁目一番地」の政策を変えてまで決断した背景には何があったのか。

■情勢悪化を説明

 「歴史的な会合だった」。6日夕のワシントン。50カ国のアフリカ首脳を招いて初めて開いた会議を終えたオバマ氏は高揚していた。米国務省の玄関口につけたリムジンに乗ろうとすると、1人の男が後部座席に同乗してきた。米軍制服組トップのデンプシー統合参謀本部議長だ。ホワイトハウスに到着するまで5分間。デンプシー氏はイラク情勢がいかに悪化しているかを説いた。

 オバマ氏はデンプシー氏の行動からイラクが容易ならざる状況であると察知した。米軍事顧問団をイラクに派遣したのは6月末。1カ月余りしかたっていなかった。ホワイトハウスに着くとオバマ氏はデンプシー氏とともに執務室に入り、ライス大統領補佐官(国家安全保障担当)、マクドノー大統領首席補佐官を呼んだ。

 翌7日も朝から米国家安全保障会議(NSC)を招集。会議は90分間に及んだ。軍事介入に否定的なオバマ氏の心境はデンプシー氏の説明を受けてから変化した。動かしたのは「大量殺りく」という言葉だった。イラク北部でイスラム過激派に追い込まれたクルド人ら少数派住民約4万人が山頂付近で孤立。住民は飲まず食わずの状態で、子供40人が死亡、過激派が女性を虐待しているとの情報もあった。

 人権重視をうたうオバマ氏が現状を放置したまま、大量殺りくが現実になれば、米国の「傍観」批判は免れない。さらに過激派が迫るイラク北部のアルビルは米軍事顧問団が駐在、米石油メジャーも進出している。顧問団に死傷者が出れば、今なお追及される2012年9月の駐リビア大使らが殺害された米領事館襲撃事件の再現ともなりかねない。

 折しも前日の5日にはアフガニスタンの首都カブール近郊にある陸軍士官学校で、アフガン兵士が国際治安支援部隊(ISAF)に銃を乱射し、米軍の少将1人が死亡した。米軍が01年にアフガンに駐留して以来、戦死した最も高位の米軍人で、米メディアはこの事件をトップ級で報じた。過激派が軍事顧問団を襲えば、被害も米メディアの扱いもこの比ではない。

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