2014/08/16 本日の日本経済新聞より「大機小機 すべては労働市場改革から」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のマーケット総合2面にある「すべては労働市場改革から」です。





 人手不足を背景にサービス業などでは、パートの時給引き上げや非正規社員の正社員への転換の動きが広がっている。企業が人手不足を恒常的なものとみなし、人材確保に走り始めたことの表れである。デフレ脱却の展望が開け始めた日本で、「人手不足経済」への構造変化が進行している。

 この構造変化の下で、いかにして経済を活性化させ、好循環を持続するかが今後の課題である。課題の克服にあたっては、特に3つの視点が重要になろう。

 第1は、人手不足が成長のボトルネックとならないよう、成熟産業から成長産業への労働移動を円滑化するなど労働市場の非効率性やゆがみを是正すること。第2は女性、若者、高齢者の労働市場へのさらなる参画を促し、彼らが十分に力を発揮できる環境を整備すること。そして第3に、労働力人口の減少による成長力の低下をカバーするため、労働生産性の上昇を促す社会構造をつくることである。

 加えて、日本は少子化対策への取り組みも重要な政策課題である。

 これらの政策課題について具体的に考えてみよう。まず労働市場のゆがみを是正するためには、企業内失業の解消に取り組む一方、正社員への道を閉ざされたフリーターや元気で働く意欲を持っているシニア層に円滑な雇用機会を提供する必要がある。

 また生産性を引き上げるためには、労働時間の長さで成果を測る仕組みを変える必要がある。女性の就業率引き上げと出生率引き上げを両立させるためには、政府・企業の子育て層への支援を強化するとともに、正社員である男性の働き方も変えなければならない。ワークライフバランスの実現には、長時間労働の是正や休暇取得の促進が不可欠である。

 これらを進めていくには、従来型の終身雇用・年功型の賃金体系を見直し、就社型の雇用形態を転換するなど、雇用慣行も含めて労働市場全体を見渡す改革の中に位置付けていく必要がある。これまでの労働市場改革は解雇規制の緩和など部分的な改革議論が先行したため、労使の対立を招き、なかなか進展しなかった面もある。

 「人手不足経済」への構造変化に直面する今こそ、労働市場改革を進めるチャンスであることを労使双方が認識すべきである。

(追分)

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