2014/08/22 本日の日本経済新聞より「大機小機 中国の不動産バブル」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のマーケット総合2面にある「中国の不動産バブル」です。





 中国・上海では「不動産を持たない男性は女性が見向きもせず結婚できない」とまで言われ、一族が資金を出して適齢期の男子に高価な不動産を購入するのが一般化していた。こうした習慣もあり、平均所得に対する中国大都市圏の不動産価格は、1980年代末の日本のバブル経済期と比較しても大幅に高い。

 こうした中で中国の不動産市況が悪化に転じる可能性が強まっている。中国社会の安定は、不動産を手に入れた相対的に富裕な層が満足することで維持されてきた面がある。不動産バブルの崩壊は、中国の政治や経済情勢を不安定にする要因となり得る。

 日本のバブル崩壊の過程を改めて検証することで、中国の不動産市況の行く末を占ってみよう。

 日本の戦後から80年代半ばまでの経験では、名目経済成長率は長期の市場金利を恒常的に上回っていた。不動産の賃貸収入はおおむね名目成長率に比例する傾向にある。土地神話が健在だった80年代までは、無理をしてでも借り入れた資金で不動産を購入するのが有利になる計算だった。

 たとえ利払い費用が賃貸収入を上回る赤字であっても、将来、不動産を高値で転売できれば利益を得られる。期間損益が赤字だったワンルームマンション投資が人気を集めたのは、こうした背景がある。しかし、バブルの崩壊で、バブルのピークで不動産を転売できた一握りの投資家以外は、巨額の含み損を抱える結果になった。

 日本で不動産バブルが崩壊したのは、名目成長率が金利を上回る状況が過ぎ去ったからだ。預金金利規制が廃止され、海外からの技術導入や人口ボーナスによる高度成長が終わりに近づき、不動産価格は賃貸収入に見合う水準まで低下した。

 中国経済の現状も日本のバブル崩壊期に似てきている。金利規制が弱まり、人為的な低金利政策が転換されつつあると同時に、中国の高度成長期も終焉(しゅうえん)に近づいている。しばらくは、技術のキャッチアップによる中成長が可能ではあろうが、「どんなに無理をして借金をしても不動産を購入すれば必ずもうかる」という状況は終わりつつある。

 日本の経験と照らし合わせれば、中国の不動産価格は、賃貸収入の見通しと市場金利で計算される合理的な水準に近づくと予想される。

(山河)

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