2014/09/02 本日の日本経済新聞より 「経営書を読む ルイス・ガースナー著「巨象も踊る」(1) IBM論 時代の変化読み展望描く」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のキャリアアップ面にある「」です。





 本書はいわゆる理論家の書いた経営書ではない。ルイス・ガースナーという経営者が書いたIBM論である。しかし、ガースナーの頭の中は非常に整理されていて、経営理論を当時の同社に応用して語っているといっていいだろう。経営論の中ではあまり語られることのない「勝つための情熱」「企業文化の変革」などについても独自の哲学が展開されている。

 IBMは1990年代の初頭に倒産の危機に直面した。オープン化&ダウンサイジングという情報技術(IT)業界の第一の変革期が訪れたが、その方向性や影響力を読み違え、シリコンバレーを中心とした西海岸の起業家たちに、事業領域を侵略されていったのだ。

 ガースナーは時代の変化の背後にある力を解明し、その先に続く将来像を描き切った。それが我々が「クラウドサービスの時代」と呼ぶ姿である。今起こっているIT業界の第二の変革期は、アップルやグーグルの台頭を促し、日本のエレクトロニクスメーカーに苦境をもたらすことになった。アマゾンのようなECサイトや、LINEのようなアプリの普及により、小売業や電話会社などにも変化が訪れている。

 IBMの経営危機を歴史の中で俯瞰(ふかん)すると、IT革命の波が最初に決壊させた堤がIBMであり、そこから流れ込んできた潮流が、多くの企業を飲み込もうとしているかのように見える。ガースナーが当時考えていたことの多くは、実際に起こっている。

 モバイル端末の普及でパソコンの売り上げが下がり出す、クラウドサービスが商取引や人の関わり方を変える、企業が水や電力を買うのと同じように情報サービスを買うようになる、国の利益と市民の利益が衝突する時代が来るなどだ。

 こうした観点でIT革命の洗礼を最初に受けたIBMから多くを学ぶことができるのではないかと考える。ガースナーのものの見方は経営論としても学ぶところが多い。

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