2014/09/09 本日の日本経済新聞より 「ルイス・ガースナー著「巨象も踊る」(2) やるべき課題、簡潔に整理」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のキャリアアップ面にある「ルイス・ガースナー著「巨象も踊る」(2) やるべき課題、簡潔に整理」です。





 本書を読んで、ルイス・ガースナーの卓見に感心させられるのが、1993年3月に開いた新最高経営責任者(CEO)就任記者会見直後のIBMの経営幹部との初会合の場面だ。そこでガースナーは45分間で次のような内容を伝えている。

 ・わたしがこの仕事を引き受けた理由

 ・官僚体質の打破、社員数の適正化に踏み込むこと

 ・IBM解体論が本当に正しいのかどうか

 ・士気を高めるために幹部全員の指導力が必要

 ・最初の90日の優先課題((1)資金流出を止める、(2)94年には利益を計上、(3)主要顧客別戦略の策定、(4)第3四半期までに適正規模を達成、(5)中期戦略の策定)

 ・30日以内に検討すべきこと

 後から振り返ると実行すべき点は、就任前の45分間で全て語られていたという。企業再生の場面でやるべきこと、IBMが克服すべき課題、復活のための論点が簡潔に網羅されている。

 ガースナーは同社の次期CEO選考委員会から候補者に挙げられた時、最新の財務資料の提供を求め、資金繰りなどを評価した。そして、「1年ほどで売り上げ減少が止まらなければ全てが終わる」という結論に達し、一度は辞退した。

 しかし、「アメリカのために引き受けてほしい」「今必要なのは事態を掌握し、行動に戻るよう活を入れられる経営者だ」と口説かれ、この職を引き受けた。短期間でIBM再生のための論点を導き出すとともに、自らの退路を断ったリーダーの姿が浮かび上がる。

 日本でも外部からトップを招くケースが出てきたがまだ少数だ。そのため、自分がトップに立ったら何を課題や論点として設定するか、事業をどう伸ばすかについて、真剣に討議する機会を与えられた人は少ない。激しい環境変化に適応するため、こうした機会をいかに自社のリーダーに与えていくかが日本企業にとっての課題となろう。

(ケーススタディーなど全文を「日経Bizアカデミー」に掲載)

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