2014/09/17 本日の日本経済新聞より 「スクランブル 「賢い指数」に焦る人々 運用会社、銘柄選別眼磨く」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞14版の18面(マーケット総合1)にある「スクランブル 「賢い指数」に焦る人々 運用会社、銘柄選別眼磨くは」です。





 16日は1ドル=107円台の円安水準でも日経平均株価が36円安と上値の重さが目立った。個別株の選別眼が問われる中、国内資産運用各社で頻繁に話題になるテーマがある。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が先陣を切った「スマートベータ(賢い指数)」拡大への対応だ。手をこまぬけば、投資判断をコンピューターが代替する世界も絵空事ではない。追い詰められた運用界の自己改革は市場の構造を変える力を秘める。

 「正直、このままだと我々のビジネスは衰退していくだけ」。ある銀行系列の運用会社幹部は明かす。運用各社が目を凝らすのは、GPIFの日本株比率の引き上げだけではない。スマートベータの採用をどこまで拡大するのかが、より切実な問題になっている。

 組み入れ銘柄の選び方に工夫を凝らし、東証株価指数(TOPIX)といった伝統的な指数を超えるリターンを目指すスマートベータ。これはベンチマークを上回る運用成績を期待して資金を託されたファンドマネジャーからみれば、強力なライバルだ。決まったルールに従って組み入れ銘柄を自動的に決めるスマートベータ運用の報酬は安価で「アクティブ運用の3分の1から5分の1程度」(国内投信投資顧問)。運用成績次第では、顧客は資金を移してしまいかねない。

 日本株のアクティブ運用の成績はどうだったのか。野村証券の村上昭博チーフ・クオンツ・ストラテジストが日本株投信の過去12年の成績を分析したリポートを8月下旬に公表すると、運用業界に衝撃が走った。

 日本株投信全体の平均運用収益の98%は市場変動で説明がついた。残り2%の超過収益(アルファ)も4分の3がバリューやサイズなど一般的な4つのファクターで説明できた。4ファクターは既存のスマートベータで代替できるという。

 危機感を覚えた運用各社の間では、立て直しに向けた社内プロジェクトが相次いでいる。ある保険系運用会社では銘柄選別に優れた人を集めて「アルファ獲得チーム」を新設した。保有株の売り時だけを専門に判断する人もいるという。

 スマートベータを上回る超過収益を上げるアクティブ運用は大きく2つあると考えられている。20~30銘柄の厳選した大型株への集中投資と、中小型株にも広く投資先を広げる手法だ。野村の分析でも、数は少ないが集中型選別投資のファンドの成績は優秀だった。

 証券系運用会社の幹部は「生き残るためにリスクをとって運用の中身をとがらせていく」と話す。この動きは、市場の銘柄選別機能が研ぎ澄まされることに直結する。危機感をバネに個別銘柄の選別眼を磨いたファンドマネジャーが増えれば、日本株市場はもっと洗練されるはずだ。

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