2014/09/27 本日の日本経済新聞より 「大機小機 日本は都市国家へ脱皮を」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞12版の17面(マーケット総合2)にある「大機小機 日本は都市国家へ脱皮を」です。





 2040年に896市区町村が消滅する可能性があるとの予測が大きなショックを与え、地方創生本部が設置された。しかし日本の人口が今後20年間に1400万人も減少するなかで、地方の人口減少は避けられない。その社会的コストを最小限にとどめる政策を考えるべきだ。

 過去の人口増加時代には、森林を切り開き食料を増産したが、今後の人口減少時代には、正反対の政策が必要となる。中山間地を手入れ不要な自然林に戻し、大規模農業を目指すことである。

 農業や製造業を中心とする産業構造と異なり、今後の成長分野である金融や情報サービスは、集積の利点が大きい都市型産業である。高齢者層を最大の顧客とする医療・介護サービスも同様だ。

 高度成長期には地方から都市部への人口移動が経済全体の生産性を高め成長の源泉となった。今後の高齢化社会で、人々が分散して生活していては病院や介護のネットワークが間に合わない。むしろ医療や介護サービスが充実している都市部の高層住宅に、高齢者を誘導する必要がある。

 地方の人口減少対策は広域ベースで考えて、主要地域ごとに数百万人規模の中核都市を形成し、周辺部からの人口移動を促すコンパクトシティ化しかない。そのためには、国家戦略特区などを活用し、中核都市の中心部を高層住宅化すれば、夜間人口が増え商店街も活性化する。

 人口減少を止め地方を創生するには、産業誘致やハコモノ整備よりも、過疎地から都市部への住民移動を支援する「モノを作らない公共事業」がカギとなる。

 豊かな国の大部分は、北欧やシンガポールのように、少ない人口が都市部に集中する形態である。人口減少社会で、大都市へ人口が集中することは、都市の規模の経済を活用する合理的な行動だ。これを地方の過疎化をもたらす原因と見なして抑制すれば、都市も地方も共倒れになる。/p>

 公共投資のバラマキで地方経済が復活しないことは経験済みである。中央から地方に権限と財源を大胆に移管し、地方都市ごとに地域に合った独自の政策を追求し、世界の都市との競争を活発化させるべきだ。地方の衰退を止めるために大都市への人口集中を抑制する「地方の保護主義」は、日本全体の活力を失わせるだけだ。

(吾妻橋)

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