2014/09/30 本日の日本経済新聞より 「経済観測 回復基調の米経済、今後は 来年半ば利上げの公算 米ハーバード大教授 ジェフリー・フランケル氏」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞13版の5面(経済)にある「経済観測 回復基調の米経済、今後は 来年半ば利上げの公算 米ハーバード大教授 ジェフリー・フランケル氏」です。





 リーマン・ショックから6年を経て、米経済の回復基盤が固まってきた。世界経済の先行き懸念が強まるなかでも、安定的な成長を維持できるのか。米ハーバード大のジェフリー・フランケル教授に聞いた。

雇用改善底堅い

 ――米経済の現状をどうみていますか。

 「4~6月期の実質成長率(前期比年率4.6%)は、寒波の影響を受けた1~3月期(同マイナス2.1%)から急反発した。7~9月期も底堅い数字を期待できる。失礼ながら欧州や日本よりは良い姿だ」

 「2008年9月の金融危機からの回復が完全だとはいえないが、かなりのところに来ているのは確かだろう。中長期的にみても、2~2.5%程度の潜在成長率は維持できる

 ――雇用の改善が鈍いという懸念は残ります。

 「8月の非農業部門の雇用者数(前月比14万2000人増)に失望した人は多かった。しかし今年の伸びは月平均で20万人を超えている。1990年代後半ほどの勢いはないものの、ブッシュ前政権下の01~08年よりはいい」

 ――米連邦準備理事会(FRB)は10月に量的金融緩和を終え、来年には利上げを始めそうです。

 「景気が想定通りに回復すれば、来年半ばに利上げを開始する公算が大きい。9月16~17日に開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明には、私の予想を変えるほどの修正がなかった。物価の上昇が加速しない限り、利上げのペースも緩やかになる」

欧州デフレ懸念

 ――米経済は堅調でも、世界経済の下振れ懸念が強まってはいませんか。

 「ユーロ圏は深刻な問題を抱えている。周縁国のいくつかはすでにデフレに突入し、主要国もそれに近い状態にある。日本の経験が物語るように、デフレのわなにはまると簡単には抜け出せない。欧州中央銀行(ECB)が金融緩和の強化に動くのは適切だ」

 「中国の成長鈍化は避けられず、金融不安が悪化する可能性もある。ウクライナやシリア、イラクといった地政学的な問題も広がる。私はそれほど心配していないが、資産価格の上昇を警戒する人もいる」

 ――日本は消費増税の駆け込み需要の反動減に苦しんでいるところです。

 「アベノミクスの3本の矢も、消費増税の必要性も理解している。ただ消費税率を2段階で5%引き上げるよりも、毎年1%ずつなだらかに引き上げた方が良かったのではないか。個人消費への打撃を和らげ、物価上昇の期待も醸成できたはずだ。来年10月の再増税に向けて、今から議論をし直しても遅くはない」

 ――米経済を底上げする努力も問われます。

 「11~13年の景気回復が鈍かったのは、需要不足を埋める財政出動の手足を縛られていたのも一因だろう。与野党の対立で政府・議会の政策対応ができず、FRBの金融緩和に多くを頼りすぎてきた」

 「心配なのは戦後平均を下回る潜在成長率だ。高齢化による労働力の伸び悩み、技術革新の一巡に伴う生産性の停滞が影響している可能性がある。教育の拡充や税制改革を通じた底上げを怠ってはならない

(聞き手はワシントン支局長 小竹洋之)

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