2014/09/30 本日の日本経済新聞より 「経営書を読む ルイス・ガースナー著「巨像も踊る」(4) 成功のカギ 仮説立て賭けの戦略」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞14版の33面(キャリアアップ)にある「経営書を読む ルイス・ガースナー著「巨像も踊る」(4) 成功のカギ 仮説立て賭けの戦略」です。





 IBMの変革は2つの大きな賭けに集約できる。1つは産業の方向性に関する賭けであり、もう1つは同社の戦略に関する賭けだ。

 前者はクラウド・コンピューティングの台頭である。テレビ番組、映画、音楽、ゲームなど独自の媒体と専用のハードウエアを通じて消費されていたコンテンツが、インターネット・プロトコルにより共通のフォーマットになり、1つの端末で全てを楽しめるようになる。あるいは、あらゆる機器が端末としてネットワークにつながる時代を想定したのだ。

 後者は、サービス主導の戦略への転換だ。顧客が様々な機器やソフトを統合しなければならなくなるにつれ、ソリューションを提供できる企業を評価するようになるという予測だ。

 ネットワーク上でビジネスを展開する企業や個人が増えれば、コンピューターの負荷が増え、それをマネジメントするニーズが高まる。そこでは、ミドルウエアが戦略的に重要な戦場になる。

 こうした事業観に基づき、IBMは事業構造の再構築に取り組む。まず、自社のミドルウエアをオープン化し、他社製のハードにも対応できるよう改めた。次にロータス・デベロップメントを買収し、多数のユーザーの共同作業を支援する「ノーツ」を入手した。

 一方、アプリケーション・ソフトでは社内の反対を押し切り撤退という決断を下した。一連の施策と並行して、サービス事業を世界全体で一元化して分社した。

 優れた経営者は市場構造の変化を解明するとともに、自社がどこにポジショニングすべきか、その際、何が成功要因になり、どんな事業構造を作るべきか、具体的な仮説を立てられる。

 ガースナーはIT革命という数百年に一度の大波に直撃されながら、「市場構造」「ポジショニング」「成功要因」を具体的に特定した点が卓越した経営者と言える。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です