2014/12/03 本日の日本経済新聞より「資源大国ロシアの二重苦 米欧制裁、追い打ち 採算悪化や共同開発停止」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の国際1面にある「資源大国ロシアの二重苦 米欧制裁、追い打ち 採算悪化や共同開発停止」です。





 【モスクワ=石川陽平】ロシアの石油・天然ガス開発が価格の下落と対ロ制裁で二重の打撃を受けている。米欧企業との共同開発が相次ぎ停止に追い込まれ、多額の投資が必要な東シベリアや北極海の石油開発は採算の悪化が避けられない。生産量が減少する懸念も出ており、プーチン政権を支える「資源大国」の基盤が揺らいでいる。

1日、トルコの首都アンカラで会見するロシアのプーチン大統領=ロイター

 ロシアの代表的油種ウラルズの価格は1日、1バレル=約70ドルになり、1バレル=100ドル超だった年初から3割以上下落した。原油生産の約6割を占める西シベリアの油田の老朽化で東シベリアや北極海大陸棚の開発を急ぐが、生産コストが高い。専門家によると、1バレル=70ドルを下回ると、新規の開発で採算割れに陥る油田が出てくる。

 企業が投資抑制を迫られれば、生産量は減少しかねない。政府は今後、年間5億2500万トンの原油生産量(2014年予想)を維持する目標だが、民間石油大手ルクオイル幹部は11月末、英紙フィナンシャル・タイムズに「悲観的シナリオが実現し始めた」と指摘。今後4~5年で6.6%減る可能性を指摘した。

 中長期的には、資源エネルギー企業を対象にした欧米諸国による制裁が石油開発に大きな打撃を与える可能性がある。

 1日には、石油最大手の国営ロスネフチと米エクソンモービルが、北極海大陸棚の共同探査のための船舶を賃借する契約を破棄したことが明らかになった。米通信社ブルームバーグが伝えた。エクソンが9月、対ロ制裁の発動を受け北極海での資源探査の中断を決めたためで、欧米の高度技術なしでロスネフチが独自に北極海開発を進めるのは難しい情勢だ。

 西シベリアでは、英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルが政府系の石油大手ガスプロムネフチとのシェールオイルの共同開発を停止した。英BPによると、ロシアではシェールオイルが20年までに原油生産量の7%を占めると予想され、従来の油田の生産量の減少を補うと期待されていた。

 対ロ制裁は天然ガス開発も直撃している。プーチン大統領は1日、黒海海底を通り欧州に輸出するためのガス・パイプライン敷設計画「サウスストリーム」(年間輸送能力630億立方メートル)について、「現在の条件では続けることはできない」と中止を表明した。ウクライナ危機を巡り対立する欧州委員会の反対で、建設許可のめどが立たなくなった。

 アジア太平洋地域向けの液化天然ガス(LNG)輸出事業でも、早期の実現が不透明になってきた。ガスプロムやロスネフチなどがそれぞれ進める4つの計画が乱立。ガスプロムはウラジオストクで日本勢と協力してLNG事業を計画するが、米シェールガスなど他国の事業との競合激化や対ロ制裁の影響を受ける。

 ロシアでは輸出の約7割、連邦予算の歳入の半分を石油ガス部門が占める。ガスプロムによると、同社の14年のガス生産量は前年に比べ約5%減る見通し。原油に連動しガス価格も下落しており、ロシア経済の足かせになる。原油安を受け、通貨ルーブルは急落している。

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