2014/12/09 本日の日本経済新聞より「西岡常一ら著「木のいのち木のこころ」 (1)素直な木は弱い 癖と個性、生かせば強くなる」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のキャリアアップ面にある「木のいのち木のこころ」 (1)素直な木は弱い 癖と個性、生かせば強くなる」です。





 世界最古の木造建築、法隆寺。その「昭和の大修理」をはじめ、薬師寺金堂・西塔などの再建を棟梁(とうりょう)として手掛けたのが宮大工・西岡常一氏です。

 本書は西岡氏とその唯一の内弟子、小川三夫氏らが人の育て方と生かし方、職人の心構えなどを語ったのを塩野米松氏が聞き書きでまとめた名著です。一流を目指す人、チームを率いる人にお薦めで、愛読する経営者も少なくありません。

 今も法隆寺の五重塔が、ゆるみ・ゆがみなく、そびえ立っていることに感銘を覚えます。

 西岡氏によると、その秘密はヒノキにあります。日本の風土にあって湿気に強く、香りがよい。細工がしやすく、長持ちする。法隆寺の塔の瓦を外して下の土を除くと、次第に屋根の反りが戻り、鉋(かんな)をかければ品のいい香りがするそうです。千年以上の樹齢のヒノキであれば、建材としても千年以上の命があるそうです。

 その中でもまっすぐで癖のない木を選んで精密な加工を施したから、1300年経っても立派に建っている…のかと思いきや、どうもそう単純ではないそうです。

 西岡氏いわく、癖のない素直な木は弱い。力も弱く、耐用年数も短い。逆に、癖の強い木ほど、厳しい環境で育っただけに命も強い。例えば、西からの強風にさらされた山の斜面で育った木は東にねじれる。元に戻ろうという強い生命力が働き、それが癖となる。

 左にねじれを戻そうとする木と、右にねじれを戻そうという木を組み合わせると、癖と癖ががっちりかみ合って、建物全体のゆがみを防ぐとともに、時間が経つにつれてより締まって強固になるのだそうです。

 「塔堂の木組みは寸法で組まず木の癖で組め」。法隆寺の棟梁家に伝わる口伝です。癖と個性を排除するのではなく、生かし組み合わせることで時代を耐え抜く建造物を生む。組織経営に通じる名言です。

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