2014/12/22 本日の日本経済新聞より「月曜経済観測 投資家としてみた世界経済 米国にバブルの兆し オリックス社長兼CEO井上亮氏」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の総合・経済面にある「投資家としてみた世界経済 米国にバブルの兆し オリックス社長兼CEO井上亮氏」です。

他の評論家にはない独特の視点があり、大変、興味深い記事です。





 世界経済は米国をけん引役として、回復基調を保つのか。外国人投資家は日本経済をどうみているのか。国内外で積極的に投資する機関投資家でもあるオリックスの井上亮社長兼最高経営責任者(CEO)に聞いた。

リーマン前に似る

 ――収益の3割強が海外事業ですが、世界経済の先行きをどうみていますか。

 「米国経済がいいといわれているが、新規株式公開(IPO)の増え方などをみると、リーマン・ショックが起きたときの1年前に似ている。米国の銀行はまた信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)を始めている。カネ余りのバブル的な状況からどこにいくのか、不安定な状態だ

 ――欧州や中国の経済はどうですか。

 「米国よりも欧州の方が将来は明るい。底入れしてこれから持ち直してくるのでM&A(合併・買収)のチャンスが出てくるという感じだ

 「中国は軟着陸できると思うが、以前のように実質経済成長率が10%になるようなことにはならない。香港の数字を差し引いた実体経済はせいぜい4~5%成長ぐらいではないか

第3の矢に懐疑的

 ――日本経済は4月の消費増税後の悪影響が終息している感じでしょうか。

 「そう思う。景気はあまり変わっていない。ただ、1990年代後半に製造業は生産ラインを海外にシフトしたので、円安だからといって輸出が飛躍的に増えるとは思っていない。銀行は『お金を借りてくれ』と言ってくるが、中小企業はお金を借りて設備投資をしたらいいのか悩んでいる

 ――機関投資家として次の投資先として注目している地域や事業は。

 「地域ではカンボジア、ミャンマー、中東、欧州だ。欧州では銀行による中南米部門の一括売却などいろんな売り物が出ている」

 「日本の不動産については、どちらかといえば買いではなく売りだと思うが、米国の投資家は『買いだ』といい、議論になる。外国の投資家からみると円安なので買いということだろうが、彼らは円高になったら一斉に売り始めるので、日本の不動産市場は急落してしまうかもしれない

 ――オリックスは外国人株主比率が6割を超えていますが、彼らは日本経済をどうみていますか。

 「民主党政権の最後のころは外国の投資家のほとんどが『日銀総裁が変われば日本経済がよくなる』と言っていた。黒田東彦総裁になって皆ハッピーだったが、第3の矢である成長戦略が出てきていないことにだんだんと疑問をつけ始めている感じだ」

 「やるべきことは規制改革だ。あらゆる特区をつくって障壁を外せば、海外からどんどんお金が入ってくる。たとえば1億円の資産を持ち込む外国人には永住権を付与してはどうか」

 ――外国人投資家は現預金を抱え込みすぎだと日本企業を批判しています。

 「日本企業は挑戦を忘れている。また外国の投資家を株主にしたくないという経営者が多い。外部資本の受け入れに慎重な中小企業も悪い。日本企業がグローバルな世界に仲間入りするか否かの分かれ目だ」

(聞き手は編集委員 瀬能繁)

 いのうえ・まこと 宮内義彦氏の後を継ぎ、6月からCEO。62歳。

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