2014/12/24 本日の日本経済新聞より「展望2015 マネー収縮に備えを 投資家・ジム・ロジャーズ氏」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の1面にある「マネー収縮に備えを 投資家・ジム・ロジャーズ氏」です。

2015年はFRBの利上げとロシア経済が注目要素、ロジャーズ氏はこのように説いています。

 ――投資環境という点で、今年と来年の違いは何ですか。

米アラバマ州出身。伝説の投資家ジョージ・ソロス氏の元盟友。シンガポールに住み娘に北京語を習わせている。72歳。

 「世界の中央銀行は景気の悪化を防ぐために、歴史的な規模でマネーを供給してきた。だが『人為的な流動性の海』が来年のどこか、遅くとも2016年には収縮し始める。これが今年までとの最大の違いだ」

 「中央銀行のマネーは債券のバブルを作った。金利は人為的に、歴史的な低水準に置かれている。数週間前、私は米国の高利回り社債を売り始めた。信用度が低い割に買われすぎ(利回りが低すぎ)だと判断した」

 「流動性が収縮すると苦しむ国も出てくるだろう。インドネシアやトルコなど新興国の金融市場では、すでにその兆しが出始めている。『お金がたくさんあるので楽に過ごそう』とばかりに、構造改革を十分にしてこなかったところから、マネーは逃げていく」

 ――中国も成長が鈍化しています。

 「過剰な不動産開発など問題はある。倒産も増えるだろう。だが、経済の移行期に問題が生じない国はない。米国も何度も不況を乗り越えてきたし、中国もうまくやれると見ている。中国政府は公害対策、ヘルスケア、農業、鉄道などに資金を投じる。私もこれらの業種の株を買っている」

 「新興国全体を悲観する必要はない。ロシアは、原油安を機に通貨ルーブルが急落した。しかし巨額の外貨準備を蓄えており、対外支払い能力は高い。原油安も長続きするとは見ていない。ロシアはむしろ、来年屈指の投資対象になる」

 ――米国は金融緩和政策からの「出口」を円滑に迎えられますか。

 「来年以降の世界経済最大のリスクだ。米連邦準備理事会(FRB)が政策金利を引き上げ、世界の市場が荒れるかもしれない。問題はその結果、FRBが批判にさらされた場合の対応だ。イエレン議長が再び緩和に戻ったら、市場には『最後はFRBが助けてくれる』という風潮が生じ、投機に拍車がかかる」

 「今度バブルが崩壊したら危うい。08年のリーマン・ショックは債務が膨らんでいたから衝撃が大きかった。債務は米国でも世界でも、さらに膨らんでいる」

 ――日本はアベノミクスが3年目に入ります。

 「投資家として、向こう1~2年は楽観的に見ている。日本株は持っているし、買い足す予定だ。日銀の金融緩和が株価を押し上げているし、原油安も日本経済にとっては追い風だ」

 「だが、長期的にはかなり悲観的だ。債務が膨らみ、人口が減り、通貨の価値が落ちていく。大惨事ではないか。日本は世界で最も好きな国々の一つだ。でも、私が仮に20歳以下の日本人なら国を出ていくだろう」

 「衆院選で大勝した安倍晋三首相には改革ができるはずだ。ここ数十年で、安倍政権ほど安定した政治基盤を持ち変化の必要性を理解している政権はない」

 ――世界で貧富の格差問題が話題です。

 「私は何度も世界を旅して経済の現場を見てきた。格差は間違いなくあるが、歴史的に見ると縮小している。今問題になっているのは、目に見えるからだ。株高で潤うウォール街は、攻撃対象になりやすい」

 「問題を解決しようと人々も試行錯誤してきた。共産主義も、40年前の米国のヒッピーもだ。だが、最もうまくいったのが市場主義だった。中国は市場を使って大量の貧困層の生活水準を引き上げた。自由で開かれた市場に問題がないとは言わないが、今のところ最善の策だと思う」

(聞き手は編集委員 梶原誠)

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