2014/12/30 本日の日本経済新聞より「大機小機 経営者は羊よりオオカミに」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のマーケット総合2面にある「経営者は羊よりオオカミに」です。





 来年のえとは未(ひつじ)だ。しかし穏やかな年ではなく波乱含みだ。夏に生じた原油価格下落の黒雲は、瞬く間に世界を覆い、来年の世界経済を下押しする要因となってきた。

 米国経済の順調な回復は利上げの時期を早め、日本、欧州などとの金利差の拡大による為替相場の変動が予想される。日本を取り巻くロシア、中国、北朝鮮などとの地政学的リスクも増大する。長期安定政権を狙う安倍晋三首相は、これらの難問に十分に対処し解決してほしい。

 原油価格の急落が世界経済に与える第一のルートは、食糧など他の商品価格の下落も加わり、産油国や資源国の経常黒字が縮小し、これらの国の輸入や対外投資が減少して世界景気を下押しすることだ。新興国では流入していた資金が米国などへ還流する結果、金融引き締めなどの緊縮策に追い込まれて成長率が低下してしまう。

 もう一つのルートは消費者物価指数(CPI)の低下による実質金利の上昇だ。これは工業国、新興国双方に景気の減速をもたらす。

 日本は幸いにしてアベノミクスの効果が表れ、設備投資や消費が増加しつつある。日銀の異次元緩和第2弾によって金融は世界で最も緩和した状態で、円安が進行している。消費増税は先送りされ、補正予算の実行に加えて来年度は法人減税が予定されている。賃金も上昇傾向にあり、原油価格低落は企業の交易条件を好転させる。日本企業の経営環境は世界的に見ても良好だ。

 しかし、日本には過去の成功体験に執着し、グローバルな厳しい弱肉強食の世界に打って出ることもなく、市場シェアを失い競争力をそがれている企業が多い。

 来年こそ日本の経営者は世界に勝つ覚悟を定め、研究開発に多額の資金を振り向け、高度で先進的な技術開発を実行すべきだ。それを設備投資に体化すれば資本ストックが若返る。資本の生産性を上げることで自己資本利益率(ROE)が2桁に向上すれば、海外からの投資が流入し雇用機会が増える。来年は実質で3%程度の経済成長を目指してほしい。

 来年は未年だが、経営者は羊のように穏やかでは駄目だ。世界の羊を食べるオオカミとなって世界に勝ち、日本の地位を確固たるものにしなければならない。

(恵海)

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