2015/02/04 本日の日本経済新聞より「世界経済、実態悪くない ハーバード大教授 ケネス・ロゴフ氏に聞く」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の経済面にある「世界経済、実態悪くない ハーバード大教授 ケネス・ロゴフ氏に聞く」です。





 世界的な超低金利や欧州のデフレ懸念など今年の世界経済は波乱含みで始まった。金融危機の経済分析で有名なケネス・ロゴフ・ハーバード大教授に見通しを聞いた。

 ――日米欧の経済をどう見ているか。

 「日米欧で景気の局面が異なる。米国経済の回復は力強く、今年は前年より好調だ。米連邦準備理事会(FRB)は慎重を期して可能な限り長く金融引き締めを見合わせる。利上げは7~9月期以降になるだろう」

 「米国の次は日本だ。金融緩和と財政支出で景気が持ち直した。欧州と異なり完全雇用に近く、公共事業など需要を増やす政策は効きにくい。第3の矢、構造改革が重要だ。かつて欧州の病人と呼ばれたドイツが労働市場を柔軟にして競争力を回復したように、日本経済も構造改革で再生できる。現在の日本は政権基盤が強く、不人気な政策を遂行する力もある」

 「対照的にユーロ圏は今後5年ほどは超低成長・低インフレが続く。量的緩和だけではユーロ圏経済は立ち直れない。日本より公共投資が有効だ。ギリシャ、スペイン、ポルトガル、アイルランドなど債務を抱えた国に北部各国から財政支援する必要がある」

 ――財政支援にドイツが同意するだろうか。

 「ドイツ国民の同意を得るにはフランスが構造改革を断行する必要がある。今のフランスはレースで先頭のドイツを風よけに使っている二番手走者みたいで、負担は自分たちだけ、というドイツ国民の不満になっている。欧州の債務問題はまだ出口まで時間がかかる」

 「今はユーロ圏全体に必要な政策を行う機関がなく、欧州中央銀行(ECB)だけが域内を制御している。スペイン国債の利回りが米国債より低いのは、ECBが保証しているからだ。日銀の量的緩和が歴史的な円安を生んだように、ECBの量的緩和も為替でユーロ安の効果を生む」

 ――世界的な超低金利は潜在成長率の低下が原因か。

 「米国の長期インフレ予想は異常に低く、中銀が物価上昇率を高められるか人々は懐疑的だ。成長期待が下がれば株価も下がるはずだが株価は堅調。技術革新で生産性は下がっていない。経済実態はしっかりしている」

 「超低金利は中銀による国債購入に加え、金融危機の記憶から投資家が長い間リスクに慎重になっていることが主因だ。世界経済が長期停滞に陥ったわけではない」

(聞き手は経済部次長 吉田ありさ)

 2001~03年に国際通貨基金(IMF)チーフエコノミスト。債務問題の専門家で、ラインハートとの共著「国家は破綻する」(This time is different:Eight Centuries of Financial Folly)では過去8世紀の世界の金融危機を分析し、リーマン危機後の政策対応にあたった各国当局者の間で広く読まれた。

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