2015/02/07 本日の日本経済新聞より「大機小機 不測の事態だらけの時代」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のマーケット総合2面にある「不測の事態だらけの時代」です。





 「戦略論」で有名な戦略国際問題研究所のエドワード・ルトワック氏は中国について、「近隣諸国を本気で侵略する意図はない。中国が近隣諸国に求める真意は、中国の首位性(supremacy)の認知だ」と語っていた。だが、経済成長に伴うエネルギー需要増に応える海底資源の獲得を目指して、日本を含む近隣諸国との領海を巡るトラブルは、絶えないだろう。

 「ベルリンの壁」崩壊後の四半世紀、米ソ対立という明確な対立軸がなくなる一方で、経済力・軍事力・国際公共財の提供力という各面で米国の存在感が後退し、世界秩序が流動化している。中東をめぐる紛争が常態化し、中国やロシアなどの軍事力を行使した外交が目立つ。日本は自衛の問題に真剣に向き合わざるを得なくなった。

 世界経済に占める米国の国内総生産(GDP)の比率は1960年に38%だったが、2013年は22%。半世紀でほぼ半減し、世界秩序の担い手としての体力は落ちている。国内も格差拡大などから分裂傾向にあり、米国を一つにしていた重力がうせかけている。

 日本にとって、中期的には、周辺諸国の政情が激変するリスクがある。日本まで引きずり込まれてしまった最近のイスラム関連の世界各地でのテロの横行を見ると、移民受け入れのリスクも考えておかねばなるまい。高齢化という世界的潮流の中で移民受け入れを促進する場合、若者が多い中東やアフリカあたりからの移民の比率が高くなるだろうと推測されるからである。

 天変地異が経済や社会に及ぼす影響も半端でなくなった。地球温暖化の影響からか、集中豪雨、猛暑と日照不足、突然の雹(ひょう)や竜巻が毎年のように発生している。集中豪雨による洪水や土砂災害は、大都市か地方であるかを問わず市民生活を圧迫している。日照不足は、農産物生産の工程を混乱させている。わが国は亜熱帯地域になってしまったかのようである。地震、噴火と、地下の動きも気がかりだ。

 不測の事態が日常的、当たり前になる時代は、「ああすればこうなる」式の単純な危機管理はもはや通用しない。政治も、マスメディアも、私たちも、偶発事件の発生可能性を最大限に考慮に入れた思考習慣をつけていかなければならないと思う。

(一礫)

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