2015/02/10 本日の日本経済新聞より「経常収支 稼ぎ頭交代 昨年、輸出から海外配当収入へ 旅行収支は黒字近づく」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の経済面にある「経常収支 稼ぎ頭交代 昨年、輸出から海外配当収入へ 旅行収支は黒字近づく」です。





 日本経済の「稼ぐ力」が大きく変化している。2014年の国際収支統計ではかつて稼ぎ頭だった貿易収支が10兆円を超える赤字となる一方、海外からの配当収入などで経常黒字を維持する構図が鮮明になった。最近の原油安が定着すれば貿易収支の悪化には歯止めがかかりそうだが、生産年齢人口が減り続けるなか、構造変化自体は止まらないとの指摘がある。

旅行収支の赤字は縮小した(東京・浅草の仲見世通りを散策する外国人観光客)

 財務省が9日発表した14年の国際収支速報によると、経常黒字は前の年に比べて18.8%減の2.6兆円で、現行統計が始まった1985年以降で最小の水準にとどまった。原子力発電の代替電源となる火力発電向け液化天然ガス(LNG)の輸入増などで、貿易赤字が10.4兆円と過去最大になったことが大きい。

 足元では原油価格が大幅に下がっており、単月でみれば貿易赤字は縮小している。12月の貿易赤字は季節調整値でみると3183億円で、前月の赤字幅から半減した。「1~3月のどこかで貿易黒字に転じる可能性がある」(第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミスト)との声もある。

 ただ、貿易収支がこのまま改善していくかは不透明だ。輸入増が一服したとしても、輸出の増加が見通しにくいためだ。輸出は自動車や電子部品、鉄鋼などで増えているが、生産拠点の国内回帰の動きはまだ鈍い。

 BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは「生産の国内回帰以前の問題として、既存の設備が100%稼働していない」と指摘する。失業率がほぼ完全雇用の水準に下がるなか、日本の製造業が若年層を中心として雇用を十分確保できなくなったためだという。

 貿易収支は10年前の14.4兆円の黒字からほぼ一本調子で悪化してきた。一時的に収支が改善しても、生産年齢人口が減り、生産はせずに消費だけする高齢者が増え続けるとすれば、輸入頼みが定着しかねない。

 貿易の代わりに経常黒字を支える主役になっているのが、18兆円強まで増えた海外からの配当・利子収入(第1次所得収支)だ。海外の子会社などからの配当金は4.2兆円で、10年前の4.7倍に膨らんだ。

 証券投資でも、債券の利子収入が伸び悩むなか、株式の配当金の受け取りは10年前の3.4倍の2.9兆円に増えている。海外の高成長を投資という形で取り込めるようになってきた。

 外国人旅行者も日本に変化をもたらしている。旅行収支の赤字は0.1兆円で、10年前の2.9兆円から大きく縮小した。訪日外国人旅行者数は14年、前の年より3割増の1341万人となった。政府は15年の訪日客数が1500万人を超えると予測しており、旅行収支では初の黒字転換も視野に入ってくる。

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