2015/02/13 本日の日本経済新聞より「眠りの大切さ伝え 規則正しい生活育む 塾やスマホで夜型 教員ら危機感」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の生活面にある「眠りの大切さ伝え 規則正しい生活育む 塾やスマホで夜型 教員ら危機感」です。





日経新聞20150213眠りの大切さ伝え規則正しい生活育む

 睡眠の大切さを子供たちに伝える取り組みが、学校現場で進んでいる。塾通いやスマートフォン(スマホ)の普及などで広がる夜型生活。「学習に悪影響を与えかねない」。教員や専門家らの危機感を背景に、こうした教育は「眠育」として浸透しつつあるようだ。

治田小学校で開かれた眠育の授業(1月、滋賀県栗東市)

 「これがクラスみんなの就寝時刻です」。滋賀県栗東市の市立治田小学校で1月下旬、4年1組の担任、北脇麻衣教諭が、児童約30人の就寝時間をまとめた棒グラフを示した。最多は午後9時台だったが、午後11時台や午前0時以降という例もあり、子供たちは驚きの声を上げた。

 授業は大学教授や県内の小学校教員らでつくる「滋賀大学睡眠教育プロジェクト」が開発したカリキュラムに従って進めた。北脇教諭は就寝時間が成長ホルモンの分泌に及ぼす影響や、就寝前に液晶画面の強い光を見ると眠りづらくなることなどを分かりやすく説明。授業の最後、男子児童の1人が「寝る前にゲームをするのはなるべくやめる」と抱負を発表した。

早寝自主ルール

 ベネッセ教育総合研究所が2010年に発表した調査によると、小学生の22%、中学生で75%、高校生は93%が午後11時以降に就寝していた。不規則な生活が、児童生徒の学力低下や健康不振を引き起こしかねないとの懸念が高まるなか、学校現場で重視され始めたのが、睡眠の重要性を理解し、日頃の生活に生かすための教育「眠育」だ。

 兵庫県加古川市の市立平岡南中学校は12年度から、毎年2回2週間ずつ、生徒が各自の睡眠時間を記録する取り組みを続けている。14年度の結果を専門医に分析してもらったところ、睡眠不足などが明確で改善が必要とされた生徒は約1割を占めた。

 生徒たちは塾通いや受験勉強に忙しく、スマホやゲームに熱中する子供も少なくない、と養護担当の墨谷きみ教諭の目には映る。「病気でないのに、午前中の体調が優れず授業に出席しない子の多くは睡眠不足だ」と指摘。同校は個別面談を実施したり、生徒会で早寝の自主ルールをつくったりして、生活習慣の改善につなげている。

 眠育を進めた結果、成果が現れ始めた学校も。07年度から睡眠の大切さを伝え、睡眠時間の調査などを続ける福井県若狭町の町立三宅小学校では当初、午後10時以降に就寝する児童が62%を占めていたが、12年度には23%にまで低下した。

不登校ゼロに

 近隣の小学校に比べて卒業生が中学入学後、不登校になる割合も高かったが、同年度以降はゼロを維持している。上野庄一校長は「家庭任せにせず、学校でも生活習慣の乱れをなくすよう促す取り組みは今後も続けていきたい」と話す。

 こうした動きは保育の現場にも広がる。保育所大手のアートチャイルドケア(大阪府大東市)は、園児の睡眠状況を調査したり、保護者向けに啓発用の広報紙を配布したりしている。

 同社によると、乳幼児は保護者が夜型の生活を送っている場合、就寝時間が遅くなるケースが多いという。教育研修部の石川佳代課長は「大切な親子の触れ合いは、保護者が忙しい平日の夜遅くではなく、週末の時間を活用してほしい」と呼びかけている。

「発達中の脳には健全な睡眠必要」専門家指摘

 兵庫県立リハビリテーション中央病院「子どもの睡眠と発達医療センター」で特命参与を務める熊本大の三池輝久名誉教授は「発達中の子供の脳にとって健全な睡眠が不可欠なのにもかかわらず、日本の子供の多くが慢性的に睡眠不足の状態にある」と警鐘を鳴らす。

 三池名誉教授によると、午前6~7時に起床する小学生の場合、午後9時までに就寝するのが適切だ。中高生も7時間以上の睡眠時間は確保すべきだといい「睡眠障害の悪化は、朝起床できなかったり、不登校につながったりするなど、日常生活に深刻な影響を与える恐れがある」と強調している。

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