2015/02/18 本日の日本経済新聞より「迫真 金利異変(2)低くて高い2.5%社債」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の総合1面にある「金利異変(2)低くて高い2.5%社債」です。





 「金利2.5%? そんなに低いなんて信じられない」。昨年12月19日と今年2月9日、立て続けに個人向け社債を発行して計8500億円を調達したソフトバンク。拡大路線を「金庫番」として支える取締役の後藤芳光(52)は、投資家訪問した米国と欧州で驚かれた。

ソフトバンクは巨額の資金調達をテコに成長を目指す(10日、決算発表する孫社長)

 今回の7年物社債は「劣後特約付き」で、普通社債などより返済順位が後回しになる。破綻すれば元本が目減りするリスクが大きく、米国などの劣後債では2ケタ金利も珍しくない。

 長期金利が史上最低の日本ならではの条件。まとまった資金が欲しい同社には2.5%は魅力的な「低さ」だ。後藤は「歴史的な低金利局面。長期資金を貪欲に取りにいく」と話す。

 このソフトバンク社債に大勢の投資家が飛びついた。「瞬間蒸発」――。証券会社の社債担当者は、条件決定後すぐに売り切れる人気ぶりを、こんな業界用語で言い表す。大和証券では1人で1億円買った客もいた。

 今月発行の4500億円のうち840億円を完売した大和の債券営業部副部長、岡村洋之(47)は「魅力的な利回りに関心が集まった」と説明する。同時期に出た住友不動産の7年債は0.392%。7年間ソフトバンクは潰れないと思えば、金利の「高さ」は圧倒的だ。

 2.5%は低くもあり、高くもあるという矛盾する相場観。金利異変が生んだ現象だ。

 「30年債で悩むとは」。東京ガスの最高財務責任者、吉野和雄(64)は苦笑いする。社債金利は、基準となる国債利回りに会社の信用力に応じた金利を上乗せして決める。期間が長いほど金利は高い。高格付けで上乗せが小さい東ガス債は、30年国債の利回り低下に伴って社債金利が抑えられてしまうため、投資家が集まらず発行できない。

 2年国債がマイナス金利になるなど、短期の社債への影響はもっと深刻だ。「通常の条件決定方式が難しくなった」。三菱UFJモルガン・スタンレー証券デット・キャピタル・マーケット部長の諏訪一(49)は、社債金利の下限を先に決めて企業と投資家の希望を擦り合わせる手法を新たに取り入れた。

 投資家に買ってもらえそうな金利にしようとすれば、必要以上に上乗せ分を払わなくてはならない場合もある。高くつくなら無理はしない。機関投資家向けの3年物社債は2カ月以上も途絶えたまま。市場の機能が低下し始めている。

(敬称略)

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