2015/02/21 本日の日本経済新聞より「景気好循環への助走 (下)世界経済 米消費が支え 中国・欧州に波乱の芽」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の総合2面にある「景気好循環への助走 (下)世界経済 米消費が支え 中国・欧州に波乱の芽」です。





 フォード・モーターの創業者、ヘンリー・フォードが作った米ミシガン州の巨大工場が昨年11月、数十年ぶりに生まれ変わった。投資額は8億4300万ドル(約1000億円)と自動車工場をひとつ新設できる規模だ。

米フォードの新型ピックアップトラックは販売開始以来、絶好調だ(ニューヨーク市郊外のフォード店)

米新車が活況

 ここで生産するピックアップトラックの新モデルの売れ行きは年末の販売開始以来、絶好調だ。2月上旬、ニューヨーク市郊外の販売店には展示車もなかった。早速フォードは1000人以上雇って増産する。

 ガソリン安を追い風に米国の1月の新車販売は9年ぶりの高水準となった。国際通貨基金(IMF)の1月の予測では、米国の2015年の実質成長率は3.6%に高まる。実現すれば10年ぶりの3%成長となる。

 米国の旺盛な内需の恩恵は日本にも届く。1月の米国向け輸出額は前年比17%も伸びた。販売の6割強が北米向けの富士重工業は今期に過去最高の連結純利益を見込む。米国向け輸出増の効果で10~12月の国内総生産(GDP)は前期比の伸びの3分の1が海外需要だった。

 IMFの予測では15年の世界の実質成長率は3.5%と14年より0.2ポイント高まる。米国の高成長が中国の減速を補うという見立てだ。ただ、米国はシェールガス革命や製造業の国内回帰の影響で輸入増の勢いは鈍い。消費が活況でも以前ほど他国の外需に波及しない。

 米国外にもリスクは潜む。一つは減速する中国経済が軟着陸できるかどうかだ。

 「平日の残業もほとんどない」。コマツの中国工場で、ため息が漏れる。中国の油圧ショベル販売は前年と比べ3割超の減少が続く。例年は地方政府が新年度予算を執行し始める春節(旧正月)明けがかき入れ時だが、今年は活気が乏しい。

海運市況は不振

 7%程度への成長鈍化を「新常態(ニューノーマル)」と容認する習近平指導部が公共事業のアクセルを踏む気配はない。金融市場では、2月に金融緩和したばかりの中国人民銀行が追加緩和するとの観測が早くも浮上している。

 資源の輸入大国である中国の減速で、鉄鉱石など資源を運ぶ船の運賃市況を示すバルチック海運指数は過去最低水準で推移している。資源輸出に頼る新興国の経済の足取りも重くなっている。

 より深刻なリスクはデフレの瀬戸際に立つユーロ圏だ。欧州中央銀行が量的金融緩和を決めたことで金融市場は小康を保っているが、ギリシャの債務交渉やウクライナ問題は長期化しつつある。想定外の事態が起これば、市場の動揺が広がる可能性がある。

 もう一つの波乱の芽は米国の金融政策だ。景気が好調な米国は今夏にも金融引き締めに転じるとみられている。量的緩和を続ける日欧と米国の金融政策が逆向きになると、金融市場で思わぬ混乱を招きかねない。

 世界経済が安定成長を続ければ日本の外需が伸び、自律回復の好循環に移れる。そのリスクとなる欧州、中国と米国の金融政策には目をこらす必要がある。

(景気動向研究班)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です