2015/03/01 本日の日本経済新聞より「航空性中耳炎 対策あり 飛行機に乗ると耳が痛い 唾飲み込む・アメなめる・耳抜きする」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の健康面にある「航空性中耳炎 対策あり 飛行機に乗ると耳が痛い 唾飲み込む・アメなめる・耳抜きする」です。

点眼薬による予防、あるいは航空機用の耳栓、こういった対応策を知っておくことで、飛行機による不慮の中耳炎を回避できるそうです。





 飛行機に乗ったら耳が「キーン」としたという経験を持つ人も多いだろう。これは気圧の変化が原因で、痛みが治まらなかったり、聞こえが悪くなったりする「航空性中耳炎」につながるケースもある。通常は唾を飲んだりあくびをしたりすると不快感はなくなるが、アメをなめるなど不快感を防ぐさまざまな対策も覚えておくとよい。

 会社員Aさんは海外から帰国するために飛行機に乗っていた。風邪気味で鼻水と鼻づまりがあったが、気分を紛らせるため飲酒し、眠っていた。着陸のため徐々に飛行機の高度が下がってきた時、耳がつまったような感覚に加え、痛みも出てきて目が覚めた。

 着陸後、痛みは和らいだが聞こえづらい状態は翌日も続いた。耳鼻科を訪れると「航空性中耳炎」と診断された。薬を飲んで痛みは改善したが耳のつまり感と難聴は続き、回復まで約2週間かかった。

 機内では下降時に子供が耳の痛みを訴える例も見られる。耳の痛みが続けば旅先での楽しみも半減しかねない。

耳の内外気圧差

 耳の不快感が生じるのはその構造のためだ。鼓膜の内側にある中耳には空気が入った「鼓室」と呼ぶ小部屋があり、「耳管」という管で鼻の奥につながっている。この管は普段閉じていることが多く、唾を飲んだりあくびをしたりすると、一瞬開く。小部屋と外部の気圧は通常同じだ。

 地上は1気圧だが上空に行くに従って低くなり、通常の飛行高度である約1万メートルでは0.2気圧程度まで下がる。機内は約0.8気圧に保たれているが、それでも乗客への影響はゼロではない。気圧が変わる際に耳の内外で圧力の差が生じ、異変につながる。

 たとえば、機体の上昇時は中耳内の気圧が周囲より高くなる。すると、鼓膜は外側に引っ張られる格好になる。違和感が生じるが、唾を飲むなどして耳管を一瞬開けることで、中耳の気圧を調整できる。山登りや電車の移動時などにも起こるが気圧の差はそれほどでもないため、飛行機のような違和感には至らない。

 「機体の下降時は耳に不快感を覚えやすい」と話すのは南新宿クリニック耳鼻科・小児科(東京・渋谷)の木村暁弘院長だ。下降時は機内の気圧が徐々に高くなる。だが耳管がきちんと働かず閉じていると、中耳内の気圧は低いままで鼓膜が内側にへこむ。「離陸時に比べ耳管は構造的に圧の調整が難しく、痛みなどが出やすいので、唾をたくさん飲むとよい」(木村院長)

 鼓膜から出血したり、内側にしみ出した液がたまったりすることもある。ひどいと耳鳴りや目まい、頭痛がする。

 唾を飲み込んだりあくびをしたりすれば、耳管が開いて痛みなどの症状が改善されるケースが多いが、それだけでは治らないこともある。そんな場合、スキューバダイビングなどでやる「耳抜き」と呼ぶ手法を試してみるとよい。

鼻と密接な関係

 まず息が漏れないように鼻をつまむ。口を閉じて「ウン」といきみ、耳の奥に息を送り込む。すると鼻の奥に圧力がかかり、症状がよくなる。鼻をつまみ唾を飲んでもよい。上手にできなくても焦らず、何回か挑戦しよう。ただ、あまり強くいきむと鼓膜を傷める恐れもあるので注意が要る。点鼻薬を使い耳管を開きやすくするのも有効だ。機内に常備されていることも多い。

 飛行機を降りても耳の痛みやつまり感、聞こえづらさなどが続く場合は、航空性中耳炎を発症しているかもしれないので早めに耳鼻科を受診するとよい。航空性中耳炎の治療法は通常の中耳炎と同じだ。抗生剤や抗ヒスタミン剤、消炎鎮痛剤などを服用する。耳管に空気を通す手法もある。大半は2~3日で不快感が治まるが、状態によっては中耳にたまったウミなどを取るため切開することもある。

 耳の不快感が起こりにくくなる対策も覚えておくと、役立つかもしれない。専門家が勧めるのは、下降時にアメをなめたり飲料を頻繁に飲んだりすることだ。また、日本航空(JAL)健康管理部の大久保景子副主席医師は「風邪や鼻炎のある人は事前に治療した方がよい」と話す。風邪などで鼻がつまると耳管がきちんと機能しないからだ。

 木村院長は「風邪を引いているときは耳管の周りの粘膜が腫れている。悪化させないために飲酒は控えてほしい」と話す。睡眠中は唾を飲む回数が減るので、風邪気味なら上昇・下降時は機内で起きているのが望ましい。空港の売店などで扱っている飛行機用の特殊な耳栓も気圧変動を調整するための手段の一つだ。

 航空性中耳炎が心配な人は旅行前などに耳鼻科の医師に相談するのも手だ。

(山本優)

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